
Webライターも「Webマーケティング」を学んだほうがいいの?
Webライターにとって、Webマーケティングの知識は役に立ちます。
とはいえ、そもそも「Webマーケティングって何?」って考えてしまう人も少なくありません。
そこで今回は「Webライターが学ぶべきマーケティング戦略」をテーマに解説します。



なんだか難しそうだね…
先に結論を伝えると、Webマーケティングのノウハウを覚える必要はありません。
あくまでも「マーケティング戦略をWebライティングに活かそう!」って内容です。



Webディレクターの経験がある「taku」が解説します。
- マーケティング戦略「STP分析」について
- マーケティング戦略を学ぶべき理由
- マーケティング戦略を活用したWebライティング(5STEP)
Webライターにとってのマーケティング戦略とは


マーケティングとは、一般的に「商品やサービスを売るための販売戦略」を指します。
日本マーケティング協会によると、マーケティングを以下のように定義しています。
マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。
日本マーケティング協会
では、Webライターにとっての「マーケティング戦略」とは?
シンプルに表現すると、以下のコンセプトを意識したWebライティングです。
- 誰に向けて
- どんな情報を
- どのように伝えるか



いつも考えて執筆してるよ?
そうなんです。
実はWebライターに必要なマーケティング戦略は「難しいこと」ではありません。
しかし、なんとなく意識しているだけでは、十分に効果を発揮できません。
そこで、マーケティング戦略を深堀して「戦略的」に活用してみましょう。
ビジネスフレームワーク「STP分析」を活用


マーケティング戦略の一つ「STP分析」は、以下の要素で構成されたビジネスフレームワークです。
S:セグメンテーション
市場を細分化する
T:ターゲティング
細分化した市場から狙いを決める
P:ポジショニング
狙った市場での立ち位置を決める
ビジネス用語はわかりづらいので「Webライターがやるべきこと」に表現を変えてみます。
- 読者を検索ニーズで分ける
- 読者の検索ニーズを絞る
- 記事の強みを明確にする
S(セグメンテーション)|読者を検索ニーズで分ける


セグメンテーションは、市場(顧客)の細分化を意味します。
参入する市場を細分化することで、サービスや商品を「本当に必要とするユーザー」に届けられます。
たとえば「やせたい」がニーズの読者に向けて発信すべき情報は、悩みや目的によってさまざまです。
- 健康のため?体形維持のため?
- 運動して痩せたい?食事を改善したい?
仕事や家事で忙しい人に「ジムに通え!」と言っても困惑させてしまいます。
だからこそ、読者の悩みを解決するためには、情報を「狭く深く」届けることが大切です。
T(ターゲティング)|読者の検索ニーズを絞る


ターゲティングは、細分化した市場から狙うべきターゲットを絞ることです。
セグメンテーションで細分化した検索ニーズから、発信すべき情報を一つに絞りましょう。
セグメンテーション:「分ける」工程
ターゲティング:「絞る」工程
Webライティングは、1つの記事で「1つの悩み」を解決することが基本です。
1つの悩みに絞り込めば、読者が本当に知りたいことを遠回りせずに伝えられます。
P(ポジショニング)|独自の立ち位置で差別化する


ポジショニングは、選択した市場での立ち位置を決めることです。
立ち位置を決めることは、競合との差別化を意味しています。
- 情報の内容
(必須な情報、不足している情報) - 情報の質
(改善点はあるか、読みやすいかどうか)
競合と比較した読者に「あえて自分の記事を読んでもらうために必要なこと」が重要です。
つまり、競合にはない強みを活かした記事が差別化につながります。
マーケティング戦略を学ぶべき3つの理由


Webライターがマーケティング戦略を学ぶべき理由は3つあります。
- 最適な読者に向けて情報発信できる
- 発信する情報を取捨選択できる
- 競合に勝つための対策を立てられる
1.最適な読者に向けて情報発信できる
STP分析の「S(セグメンテーション)」により、情報を届けるべき読者がわかります。
商品を購入してほしいのに「購買意欲のない読者」に向けて情報発信しても、望んだ成果は得られません。
記事の価値を決めるのは読者です。
読者に適した記事を書くためにも「誰に向けて書くのか」を理解しておきましょう。
2.発信する情報を取捨選択できる
STP分析の「T(ターゲティング)」により、発信する情報を取捨選択できます。
読者は求めていない情報を一切読みません。



一刻も早く悩みを解決したいので、不要な情報が目に入ると離脱してしまいます。
記事を書く目的は、読者の悩みを解決することです。
読者の悩みを絞り込むことで、解決に必要な情報を選別できます。
3.競合に勝つための対策を立てられる
STP分析の「P(ポジショニング)」により、競合に勝つための対策を立てられます。
競合に勝つための対策とは「競合に勝る強み」を見つけることです。
情報にあふれたインターネットでは、やみくもに記事を書いても二番煎じとなってしまいます。
競合に「不足している情報はないか」「改善点はないか」といった観点で、自分の記事が輝ける立ち位置を見つけましょう。



あくまでも必勝法を把握できるのではなく「こうすれば勝てるかも」といった対策案であることに注意が必要です。
マーケティング戦略を活用したWebライティング


マーケティング戦略を活用したWebライティングを「5つのステップ」で実践してみましょう。
- 検索上位(競合)サイトをリサーチする
- ターゲットとなる読者を決定する
- 記事の独自要素を考える
- STPを意識して記事を執筆する
- 結果を分析する
STEP①:検索上位(競合)サイトをリサーチする
まずは対策キーワードに対する読者像を想定するため、検索上位(競合)サイトをリサーチしましょう。
キーワードで実際に検索して「上位5サイト」ほどのページを、以下の観点でチェックします。
- 記事タイトルや見出し構成の内容
- どのような読者に向けて書いているか
- 全体を流し読みして気づくことはあるか
- 不足している情報はある?余分な情報はある?
- 記事は読みやすい?読みづらい?
- 改善すべきポイントは?マネしたいポイントは?



競合調査については、別記事で詳細を解説しています。


STEP②:ターゲットとなる読者を決定する
競合リサーチで大まかな方向性を決めたら、ターゲットとなる読者を決定します。
以下の手順で読者の人物像(ペルソナ)を設定しましょう。
- キーワードから検索意図を設定する
- 検索意図からターゲットを設定する
- ターゲットからペルソナを設定する



ペルソナを設定する手順については、別記事で詳細を解説しています。


STEP③:記事の独自要素を考える
Web記事を書くうえで、競合サイトとは違った「切り口」で書くことは重要なポイントです。
ただし、注意すべきは「独自性を出す=違うことを書く」が正解ではないこと。
- 競合は詳しく説明しているが文字が多くて読みづらい
- 初心者向けに図解を入れてみる
- 競合の記事内容は正しそうだが情報の信ぴょう性がわからない
- 取材やアンケートなど一次情報を活用する
検索上位に表示される競合サイトとは、どうしても記載内容が重複してしまうこともあります。
だからこそ「もっとわかりやすく」「もっと満足してもらう」といった付加価値を与えることも大切です。



独自性を意識した構成を設定する手順については、別記事で詳細を解説しています。


STEP④:STPを意識して記事を執筆する
実際に記事を執筆する際に重要なことは「STP分析した結果を意識すること(忘れないこと)」です。
良くも悪くも記事の執筆に集中してしまうと、どうしても事前にリサーチしたことが頭から抜けてしまいます。



一生懸命だからこそ余裕がなくなっちゃうよね…
Webライティングに集中することは間違いではありません。
ですが、頭の片隅で「誰に向けて書いているか」「競合に勝つためにやるべきこと」を意識しましょう。


STEP⑤:結果を分析する
執筆した記事の公開後は、検索順位やページ表示などの結果を分析しましょう。
どれだけ戦略を立てても、想定通りの結果を得られないことは多々あります。
「想定とどのように違ったか」「どこに原因があり、どう直すべきか」を考えながら、軌道修正を繰り返すことが大切です。



クライアントから分析を求められなくても、こっそりとやってみると勉強になります(自分自身のスキルアップのため)
Webライターのマーケティングとは|読者に価値を提供すること


WebライターにとってのWebマーケティングは、読者を意識して価値を提供することです。
Webライターは、Web記事で商品やサービスを売ります。
販売戦略を立てるなら、読者を意識したWebライティングが必要不可欠です。



いつも意識していることとそんなに変わらないよ?
普段から読者を意識したWebライティングができていれば、それで十分です。
ただし「知っているだけ」と「実践している」では、アウトプットの質に差があります。
今回学んだ「Webマーケティングとは」を参考に、Webライティングで活用できる取り組みを一つでも実践してみましょう。


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