話し言葉と書き言葉の違い|注意すべき文法表現

今回のテーマは「話し言葉と書き言葉の違い」です。

文章執筆には「書き言葉」を用いるのが基本です。

しかし、文章執筆に慣れたWebライターでも、普段のコミュニケーションで使い慣れている「話し言葉」が混在してしまいます。

そこで、使い分けの観点や理解すべき文法表現などを解説します。

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  • 2020年:未経験からフリーランスのライターに
  • 2023年:ライター月収37万円を達成
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taku(伊藤 拓也)

  • 2020年:未経験でフリーランスのライターに
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目次

話し言葉と書き言葉の違い

話し言葉
  • 会話で用いる言葉
  • 日常会話やSNS・メールなど
  • 親しみやすさやリラックスした印象
書き言葉
  • 文章で用いる言葉
  • ビジネス文書や原稿・論文など
  • 落ち着いたていねいな印象

話し言葉と書き言葉の違いは、使用する場面と目的にあります。

話し言葉は「口語体」とも呼ばれ、おもに会話で用いる言葉です。

日常会話やSNS・メールなど、コミュニケーションをとりたい場面で用いられます。

話し言葉は、親しみやすさやリラックスした印象を与えるのに効果的!

一方で、書き言葉は「文語体」とも呼ばれ、おもに文章で用いる言葉です。

ビジネス文書や原稿・論文など、公的な文書で用いられています。

Webライティングでは、おもに「書き言葉」を使用します。

ただし、話し言葉と書き言葉の違いを理解し、場面に応じて適切に使い分ける意識も大切です。

想いや熱意を伝えたい場面では、あえて話し言葉を使うのが効果的なケースもあります。

話し言葉と書き言葉の比較一覧

文章執筆で使用頻度の高い「話し言葉」と「書き言葉」を一覧表にまとめてみました。

普段のWebライティングで無意識に使用している「話し言葉」がないかチェックしてみてください。

言葉の種類話し言葉書き言葉
副詞いっぱい/たくさん多くの/豊富な
いつも常に
さっき先ほど
だいたい約/およそ
たぶんおそらく
だんだん次第に/徐々に
ちゃんときちんと/正しく
ちょっと少し/わずか
とっても/とても/すごく非常に/大変
どんどん急速に
もっとさらに
やっとようやく
やっぱりやはり
一番もっとも
今(今まで)現在(これまで)
絶対にかならず
全然まったく
全部すべて
接続詞・接続助詞けど/けれど
たら/ればであれば/すると
でも/だけど/ですが/けれども しかし/だが/とはいえ
なので/ですから/だからそのため/したがって
疑問詞どうして/なんでなぜ
どんなどのような
どっちどちら/いずれ
指示詞こっち/そっち/あっち/どっちこちら/そちら/あちら/どちら
こんな/そんな/あんな/どんなこのような/そのような/あのような/どのような
こんなに/そんなに/あんなに/どんなにこれほど/それほど/あれほど/どれほど
その他いいよい
いろんな(色々な)さまざまな
とかなど
みたいなのような
話し言葉と書き言葉の一覧

話し言葉と書き言葉の使い分け

話し言葉の活用シーン
  • 会話・スピーチ
  • SNS
  • 個人ブログ
  • 日記・コラム
  • 親しい人との連絡
書き言葉の活用シーン
  • ビジネス文書
  • ビジネスメール・チャット
  • 論文・レポート
  • 新聞・書籍
  • Web記事

話し言葉と書き言葉は、読者に与える印象が大きく異なります。

話し言葉は親しみやすく、日常会話やSNSなどのコミュニケーションに適した表現です。

一方、書き言葉はビジネスシーンで使われ、文法に忠実でていねいな表現に特徴があります。

目的に適した印象を与えるためにも、話し言葉と書き言葉を活用シーンにあわせて使い分けるのが重要です。

ただし、それぞれの言葉を混在させないように注意しましょう。

とくにWeb記事では、統一感のない文章表現が稚拙ちせつな印象や違和感を与えてしまいますよ。

Web記事で話し言葉を使用するシーン

Web記事では、書き言葉を使用するのが基本です。

しかし、あくまでも個人的な意見ですが、以下の用途では話し言葉を使用するのも効果的だと思います。

話し言葉を使用してもいいケース
  • 筆者の想いや感情を伝えたいとき
  • 子ども向けに親しみやすい印象を与えたいとき

たとえば、以下の文章を比較して、どちらのほうが感情が伝わりますか?

書き言葉

少し時間をいただけますか?先ほど小説を読みました。非常に面白い内容でした!

話し言葉

ちょっと聞いて!さっき小説を読んだんだけど、めっちゃ面白かった!

上記の例文は大げさな表現ですが、話し言葉のほうが「筆者の表情」を想像しやすいはずです。

感情や熱量を伝えるなら、会話のコミュニケーションに用いる話し言葉が適しています。

また、活用シーンは限定されますが、想定読者の年齢層が低い場合も話し言葉が効果的です。

書き言葉

なぜ、お化けを見るとこわいのでしょうか?

話し言葉

なんで、お化けを見るとこわいんだろう?

とはいえ、話し言葉と書き言葉が無意識に混在するのは避けるべきです。

しかし、意図的に使い分けるのは、個人的には賢いライティングテクニックだと思います。

「Web記事=書き言葉」と固定概念にとらわれず、読者や目的にあわせて効果的に使い分けましょう。

書き言葉には正しい文法の理解が必要

Web記事には、基本的に書き言葉を使用します。

しかし、正しい文法を理解しなければ、誤った言葉を使ってしまう可能性があります。

「ら」抜き言葉

「ら」抜き言葉は、日常会話で使いがちな口語表現の一つです。

本来「られる」と表現すべき動詞から「ら」が省略された言葉を指します。

例)ら抜き言葉
  • 食べれる(食べられる)
  • 見れる(見られる)
  • 決めれる(決められる)

()内が適切な表現。

ら抜き言葉は、口頭会話では広く用いられています。

しかし、文書やビジネスシーンには適していません。

Web記事で書き言葉の正確性と品質を保つなら、正しい文法を使用すべきです。

読み手に対して信頼感を伝えるためにも、ら抜き言葉の使用には注意しましょう。

「い」抜き言葉

「い」抜き言葉も、日常会話で使いがちな口語表現です。

おもに動詞「している」の「い」が省略された表現を指します。

例)い抜き言葉
  • 話してる(話している)
  • 待ってる(待っている)
  • 走ってる(走っている)

()内が適切な表現。

い抜き言葉は、日常会話では違和感なく使用できます。

しかし、文章表現としては不適切であり、正しい文法に基づいた表現を心がけるべきです。

相手に与える印象や文脈を考慮しながら、適切な言葉遣いを選びましょう。

「さ」入れ言葉

「さ」入れ言葉とは、謙譲語を意識しすぎて本来は不要な「さ」を入れてしまう表現です。

ていねいに伝えるつもりが、結果として文法的に間違った稚拙ちせつな印象を与えてしまいます。

例)さ入れ言葉
  • 書かさせていただく(書かせていただく)
  • 読まさせていただく(読ませていただく)
  • 手伝わさせていただく(手伝わせていただく)

()内が適切な表現。

正しい敬語表現を用いるためには「させていただく」と「せていただく」の使い分けが必要です。

使い分けの観点としては「~する」に対して使用する場合に限定しましょう。

「させていただく」の使い分け
  • 書く(書かさせていただく)→(書かせていただく)
  • 読む(読まさせていただく)→(読ませていただく)
  • 手伝う(手伝わさせていただく)→(手伝わせていただく)
  • 話す(話させていただく)→(お話させていただく)
  • 返す(返させていただく)→(返却させていただく)
  • 施す(施させていただく)→(支援させていただく)
  • 検討する(検討させていただく)
  • 対応する(対応させていただく)
  • 執筆する(執筆させていただく)

()内は「させていただく」に変換した表現。

「させていただく」の使い分け
  • 書く(書かさせていただく)
    →(書かせていただく)
  • 読む(読まさせていただく)
    →(読ませていただく)
  • 手伝う(手伝わさせていただく)
    →(手伝わせていただく)
  • 話す(話させていただく)
    →(お話させていただく)
  • 返す(返させていただく)
    →(返却させていただく)
  • 施す(施させていただく)
    →(支援させていただく)
  • 検討する(検討させていただく)
  • 対応する(対応させていただく)
  • 執筆する(執筆させていただく)

()内は「させていただく」に変換した表現。

動詞が「~す」の形であれば「させていただく」に変換しても文法上の誤りはありません。

しかし、一般的には使用頻度の低い表現となるため、稚拙な印象を与えてしまいます。

基本的には「~する」を「させていただく」に変換すると違和感がありません。

「させていただく」を使用する場合は「書く→執筆」のように、動詞を名詞に変換するのも効果的ですよ。

「れ」足す言葉

「れ」足す言葉とは「できる」形の動詞に不要な「れ」を加えた言葉です。

例)れ足す言葉
  • 書けれる(書ける)
  • 読めれる(読める)
  • 飲めれる(飲める)

()内が適切な表現。

れ足す言葉は、正しい文法とは認められていません。

しかし、西日本の一部地域では、方言としての側面もあるようです。

最近では、ら抜き言葉と同様に、れ足す言葉も「若者ことば」として指摘される傾向にあります。

言葉の使い方は地域や世代によって異なるため、誤用とされる表現も含めて背景を理解するのも大切です。

冗長表現

冗長表現とは、不要な語句や表現が含まれる文章です。

情報をスムーズに伝えるためには、無駄のないシンプルな文章が求められます。

例)文末表現が長い
  • ~することができる(~できる)
  • ~したいものである(~したい)
  • ~するようにしてみる(~してみる)

()内が適切な表現。

同じ内容の文章でも、より短いほうがスムーズに伝わります。

とくに文末表現の短縮は、執筆案件でも指摘されやすい要素です。

二重表現

二重表現とは、同じ意味の語句が重複する表現です。

同義語や同意語の重複を避けるのも、シンプルな文章作成において欠かせません。

例)同義語や同意語の重複
  • まず最初に(まずは/最初に)
  • 約100人程度(約100人/100人程度)
  • 違和感を感じる(違和感がある)

()内が適切な表現。

たとえば「頭痛が痛い」は「頭が痛い」または「頭痛がする」と書くべきです。

意味が重複している語句をチェックしながら、シンプルで読みやすい文章を執筆しましょう。

文末表現

Webライティングの文末表現は「です・ます調」が基本です。

しかし、ていねいさや親しみやすさを意識すると、以下のような文末表現を使用してしまう傾向にあります。

例)気をつけたい文末表現
  • ~なのです(~なんです)
  • ~なものです
  • ~になります

「~なのです」「~なものです」は、どうしてもセリフ口調の印象が強まります。

当サイトのマスコットキャラクター「ごーすとらいたーくん」なのです!

サイトやコンテンツの方針として求められない限り、文末表現は「です・ます調」に統一しましょう。

また「~になります」は、変化や移行を表す文末表現です。

例)変化を表す「~になります」

チケットがあと10枚売れると、会場は満席になります。

試合を見るなら、チケット購入が必要になります。

例文のように「空席あり→満席」と状態が変化する場合は「~になります」を使用します。

しかし、状態の変化がない文章では「必要です」のように「です・ます調」に言い換えましょう。

あいまい表現(消極的表現)

あいまい表現(消極的表現)は、自信がないときや確証を避けたいときに用いられる表現です。

例)あいまい表現・消極的表現
  • ~みたいな
  • ~かな
  • ~と思います
  • ~かもしれません

日常会話では自然に使われますが、文章執筆では避けるべき表現です。

あいまいな表現は情報の正確性や信頼性に欠けるため、読者が「本当に?」「結局どうなの?」と疑問に思ってしまいます。

とくに疑問や悩みを解決したい読者には、明確な結論をはっきりと伝えましょう。

書き言葉では「~です」と言い切る表現が適切です。

カジュアル表現(若者ことば)

カジュアル表現(若者ことば)は、親しい間柄のコミュニケーションで使われる表現です。

例)カジュアル表現(若者ことば)
  • マジで
  • ヤバイ
  • 超○○
  • ぜんぜん○○
  • ~かも

Web記事の読者は、基本的に「知人」ではありません。

世代を問わず誰でも読みやすい(わかりやすい)文章を書くためにも、書き言葉を意識しましょう。

若者ことばで書いてみた

今どきの若者言葉って、日常会話ではよくあるけど、書き言葉にするとちょっとナシなんだよね。例えば「マジで」や「ヤバイ」とか仲間内ではよく使うけど、書くときにはちょっと控えめにしたほうがいいみたい。

それと「全然大丈夫」とか「全然おいしい」ってフレーズも、若者はちょー使うけど間違ってるみたい。ほんとは否定的な表現に使う言葉だから「大丈夫です」「おいしいです」ってのが正式な言い方かも。

つまり、書き言葉ってのは、誰が読むかわからないから、世代を問わずわかりやすい表現を心がけたほうがいいってこと。若者ことばも会話ではアリだけど、書くときはちょっと考え直したほうがいいって話。

まとめ|文章に適した「言葉選び」を楽しもう!

今回は「話し言葉と書き言葉の違い」をテーマに、以下のコンテンツを解説しました。

Webライターが執筆する文章は「書き言葉」を用いるのが基本です。

そして、書き言葉を意識するなら「正しい文法」の理解も欠かせません。

やるべきことの優先順位
  1. 正しい文法を理解する
  2. 話し言葉と書き言葉の違いを把握する
  3. 目的にあわせて使い分ける

とはいえ、感情や親しみやすさを伝えるアクセントとして「話し言葉」も効果的です。

個人的には、Webライティングの正解・不正解は「読者が決めること」だと思っています。

よくあるルールにとらわれすぎず、楽しく、熱量が伝わるような「言葉選び」を楽しみましょう!

コンテンツの感想を募集しています!

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