係り受けのねじれを防ぐ5つのポイント【練習問題あり】

今回のテーマは「係り受けのねじれを防ぐ5つのポイント」です。

「執筆した文章の意図が正しく伝わらない…」と悩んだことはありませんか?

文章が不自然になったり読者に誤解を与えたりするのは、係り受けの「ねじれ」がおもな要因です。

読者に伝わる「わかりやすい文書」を書くためには、係り受けの理解を深めましょう。

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taku
  • 2020年:未経験からフリーランスのライターに
  • 2023年:ライター月収37万円を達成
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「文章でどこかの誰かの役に立とう!」をテーマに当サイトを運営しています。SEO・取材・電子書籍など、幅広い案件に対応中。

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taku(伊藤 拓也)

  • 2020年:未経験でフリーランスのライターに
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目次

言葉のつながりを示す「係り受け」

係り受けとは、言葉と言葉のつながりを示す概念です。

たとえば「私は新しい記事を執筆した」という文章は、以下のように言葉をつなげて成り立っています。

言葉をつなげて文章が成立する

新しい 記事 執筆した

 の言葉を の助詞がつないで文章が成り立つ。

しかし、言葉のつなげ方や順序を間違えてしまうと、文章の意味が伝わりにくい「ねじれ」が発生します。

係り受けの正しい使い方を理解するには、以下の観点が重要です。

主語と述語のねじれ

主語と述語が正しく対応していない文章は、係り受けの「ねじれ」が発生します。

係り受けの「ねじれ」は、読者に違和感を与える要因です。

ねじれた例文

「新しい記事は私が執筆した」

  • 主語:新しい記事
  • 述語:執筆した
正しい例文

「私は新しい記事を執筆した」

  • 主語:私
  • 述語:執筆した

上記の正しい例文では、主語である「私」と述語「執筆した」を違和感なくつなげられます。

しかし、ねじれた例文では、主語「新しい記事」に対して「執筆した」という不自然な述語がつながります。

修飾語と被修飾語のねじれ

係り受けのねじれは、修飾語と被修飾語の関係性も考慮する必要があります。

ねじれた例文

私が3日前に書いた記事を更新した。

  • 修飾語:3日前に
  • 被修飾語:「書いた」または「更新した」

上記のねじれた例文では「3日前に」が修飾語です。

しかし、被修飾語の捉え方次第では、以下2パターンの解釈に分かれてしまいます。

  • 私が「3日前に書いた記事」を更新した?
  • 私が書いた記事を「3日前に更新」した?

文章の意図を正しく伝えるためには、修飾語を入れる位置の考慮が必要です。

具体的な方法は、以降の見出しで詳しく解説します。

係り受けのねじれを防ぐ5つのポイント

係り受けのねじれを防ぐ方法として、以下の観点を理解しましょう。

主語と述語のみで成立させること

係り受けのねじれを防ぐには、主語と述語だけで成立する文章を意識すべきです。

よい例文

私は集中したいときにコーヒーを飲みます。

  • 主語:私
  • 述語:飲みます
ねじれた例文

コーヒーは私が集中したいときに飲みます。

  • 主語:コーヒー
  • 述語:飲みます

上記のねじれた例文では、主語と述語を抜き出した文章が「コーヒーは飲みます」と不自然です。

人の動作である「飲む」に対して、主語は人である「私」が適しています。

主語と述語がねじれた文章を修正するには、以下の2パターンが基本です。

  1. 主語に述語をあわせる
  2. 述語に主語をあわせる
修正例:主語に述語をあわせる

コーヒーは私が集中したいときの必需品です。

  • 主語:コーヒー
  • 述語:必需品です
修正例:述語に主語をあわせる

私は集中したいときにコーヒーを飲みます。

  • 主語:私
  • 述語:飲みます

文章に違和感があるときには、主語と述語を取り出して「自然につながるかどうか」をチェックしましょう。

修飾語と被修飾語を近づけること

読者の認識違いを避けるためには、修飾語と被修飾語の配置を意識するのも大切です。

修飾語が「修飾している対象」を明確にしないと、読者が誤った解釈をしてしまう可能性もあります。

例文

美しい海に広がるサンゴ礁

  • 修飾語:美しい
  • 被修飾語:「海」または「サンゴ礁」

上記の例文では「美しい」の修飾する対象が不明確(あいまい)です。

とくに「美しいサンゴ礁」を意図する場合は、文章が適切ではありません。

修飾語の関係があいまいな文章を修正するには、修飾語を被修飾語の直前に配置する必要があります。

修正例①

サンゴ礁が広がる美しい海

  • 修飾語:美しい
  • 被修飾語:海
修正例②

海に広がる美しいサンゴ礁

  • 修飾語:美しい
  • 被修飾語:サンゴ礁

修飾語と被修飾語を近づけることによって、文章の意図を正確に伝えられます。

一文を短くまとめること

意図した内容を読者に伝えるためには、一文を短くまとめるのが効果的です。

文章が長文化すると言葉の関係性が複雑になってしまい、書き手自身も伝える内容の整理に苦戦します。

長文でわかりにくい例文

初心者のWebライターが、いきなり高単価の案件を受注するのは困難なので、まずは実績を積み重ねるためにも、低単価の案件も検討すると、ポートフォリオが充実するのでおすすめです。

  • 主語:初心者のWebライター
  • 述語:ポートフォリオが充実するのでおすすめです

上記のような長文では、主語と述語の関係があいまいになってしまいます。

その原因は、一文に対して複数の情報を詰め込んでいるからです。

文章から伝わる情報量が増えてしまうと、読者は内容の理解に負担を感じてしまいます。

短くまとめた例文

初心者のWebライターが、いきなり高単価の案件を受注するのは困難です。まずは実績を積み重ねるためにも、低単価の案件も検討しましょう。ポートフォリオが充実するのでおすすめです。

上記のように「一文一意」を意識すると、句点「。」の区切りごとに文章が短くまとまります。

一文の情報量が減るため、伝えたい内容を的確に伝えられますよ。

受動態と能動態を使い分けること

受動態と能動態の混在は、主語と述語のねじれが発生する要因です。

受動態と能動態には、以下のような違いがあります。

受動態
  • 主語が動作を受ける文章に用いる
  • おもに「モノ・コト」が主語
  • 「~される」と表現する
能動態
  • 主語が動作を行う文章に用いる
  • おもに「人・生き物」が主語
  • 「~する」と表現する

受動態の文章は、主語が動作の影響を受ける場合に用いられます。

また、以下の例文のように、主語が「モノ・コト」となる場合は基本的に受動態です。

受動態の例文
  • 私が書いた小説は、コンテストの優秀作品に選ばれた。
  • 新しいソフトウェアは、来週リリースされます。

受動態の主語となる「モノ・コト」は、それ自体が動作を起こしません。

主語が動作を起こす能動態と混雑しないように注意しましょう。

能動態の例文
  • コンテストに応募するため、私は小説を書いた。
  • 私は、来週リリースする新しいソフトウェアを開発した。

一方で能動態の主語は、動作の主体となる「人・生き物」です。

人や生き物が動作の主体となる場合は、述語を「~する」と言い切る表現で書きます。

主語にあわせて、受動態と能動態を使い分けましょう。

主語を省略しないこと

係り受けのねじれを防ぐためには、主語を省略しない意識も大切です。

主語が省略された例文

納品した記事にミスが多く、厳しく指摘をされました。

上記の文章は主語が省略されており、読者の解釈が2パターンに分かれてしまいます。

  1. 私が指摘をされた
  2. クライアントが指摘をされた(敬語表現)

「私」が主語の場合

納品した記事にミスが多く、私は厳しく指摘をされました。

「クライアント」が主語の場合

私が納品した記事にミスが多く、クライアントは厳しく指摘をしました。

「~する」「~される」の表現は、敬語や受動態・能動態といった使い分けが複雑です。

読者によって解釈が変わってしまわないように、主語を省略せずに正確な情報を伝えましょう。

【練習問題】係り受けの正しい使い方を学ぶ

ここからは、係り受けの正しい使い方を学ぶための「練習問題」を用意しました。

各問題の選択肢をタップ(クリック)すると回答が表示されます!

主語と述語のみで成立させる

次のうち、主語と述語のみで「成立しない」文章はどれですか?
  • A. 私は美味しいリンゴを食べました。
  • B. 彼は新しい本を買うため、本屋に行きました。
  • C. 生徒は学力を上げるため、先生が宿題を出しました。
  • D. パソコンは寿命があるので、5年を目途に買い替えが必要です。

修飾語と被修飾語を近づける

次のうち、修飾語と被修飾語の位置が適切な文章はどれですか?
  • A. 高性能なスマホと連携できるパソコン
  • B. ついに解決策がわかり、長年の悩みに終止符が打たれる
  • C. 大きな自動車を3台格納できる車庫
  • D. 静かな山のふもとにある美しい村

一文を短くまとめる

次の文章を短くまとめてください
  • 昨日、彼は新しい本を買いましたが、その本がとても面白かったので、友人におすすめしたところ、あまり好みのジャンルではなかったようで、期待していた反応は得られませんでした。
現在の文字数: 0

例文をタップ(クリック)すると、模範解答が表示されます。

受動態と能動態を使い分ける

次のうち、受動態と能動態の使い分けが不適切な文章はどれですか?
  • A. 彼が出品した不用品は、1,500円で購入されました。
  • B. 心配性な私は、できる限りの準備をします。
  • C. 彼女が悩んでいた問題は、メンターの提案で解決された。
  • D. 私の画期的な提案は、同僚が「採用すべきだ」と褒めています。

主語を省略しない

次のうち、主語を省略していない文章はどれですか?
  • A. ジャイアンがリサイタルをするらしく、のび太は家を出たくないらしい。
  • B. のび太が困っていたので、タケコプターを出してあげた。
  • C. ドラえもんのどこでもドアがあれば解決できる。
  • D. しずかちゃんに怒られて、もう人生が終わった気分だ。

まとめ|複雑な文章ほど係り受けがねじれる!

今回は「係り受けのねじれを防ぐ5つのポイント」をテーマに、以下のコンテンツを解説しました。

係り受けとは、言葉と言葉のつながりを示す概念です。

主語と述語、修飾語と被修飾語のつながりにズレがあると、係り受けのねじれによる違和感を与えてしまいます。

係り受けのねじれを防ぐには、文章の意図をわかりやすく伝える意識が大切です。

今回紹介した5つのポイントを実践しながら、読者にわかりやすい文章を書いてみましょう。

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