ペルソナとターゲットの違い

今回のテーマは「ペルソナとターゲットの違い」です。

Web記事を書くためには、読者の人物像である「ペルソナ」を想定する必要があります。

しかし、読者の人物像をイメージすると「ターゲットとは違うの？」と疑問に思うかもしれません。

聞きなれない専門用語ですが、Webライターにとって重要な観点を理解しましょう。

ペルソナとは｜読者の人物像

Webライティングにおける「ペルソナ」とは、記事の読者を想定した人物像です。

Web記事は「読者のために書く」が大前提であり、読者を想定しないと何を書けばよいのか把握できません。

つまり、Webライティングでは、記事を読んでほしい人の具体的な人物像を考えるべきです。

ペルソナとターゲットの違い

ペルソナの意味を理解すると「ターゲットとの違い」に困惑してしまいます。

なぜなら、ペルソナとターゲットは、どちらも同じ読者に目を向けるからです。

ターゲット

想定する読者のグループ
例）釣りが好きな30代男性

ペルソナ

ターゲットからピックアップした一人の読者
例）愛知県出身の釣りが好きな30代男性。
釣りの経験がないので、まずは必要な道具を揃えたいと考えている。

たとえば、釣り人向けのWebサイトであれば、ターゲットは「釣りが好きな人」です。

釣り人のイメージから、おそらく「30～40代の男性」がメインターゲットとなるでしょう。

一方でペルソナは、ターゲットから「特定の一人」をピックアップします。

ペルソナを重要視する理由

Webライティングでペルソナを重要視する理由は「誰のために、どんな記事を書く」といった目的を明確にするためです。

読者が求める情報を把握する

ペルソナを設定する目的は、読者がどんな人で何を求めているか（悩んでいるか）を考えることでもあります。

読者によって求める情報や価値観が異なるので、書くべき内容をペルソナにあわせて設定すべきです。

たとえば、キーワード「Webライター ペルソナ」で記事を書く場合は、以下のような複数のテーマが挙げられます。

ペルソナを知らない人は「意味」を知りたいはずです。

設定方法を知りたい人は、すでに意味を理解していると想定できます。

読者が知りたい内容を伝えるためには、筆者自身も「読者を知ること（想定すること）」が重要です。

記事に不要な情報を省く

Webライティングの重要な観点は「読者が求める情報」を伝えることです。

たくさんの情報を詰め込んだ記事は、読者が求める結論にたどり着く手間を増やしてしまいます。

求めている答えが見つからなければ、読者は記事から離脱してしまいます。

読者の求める情報を明確にするのも、ペルソナ設定の重要な観点です。

書くべき内容を明確にする

ペルソナから得られる上記のメリットは、Web記事に書くべき内容を明確にします。

Webライティングでは、読者に不要な情報まで付け足してしまいがちです。

しかし、読者に不要な情報を増やしても、Web記事の価値は高まりません。

From our point of view, we don’t have an algorithm that counts the words on your page and says “Oh, everything until 100 words is bad. Everything between 100 and 500 is fine, and over 500 needs to have five pictures.”

We don’t look at it like that. We try to look at the pages overall and make sure that this is really a compelling and relevant search results to users. And if that’s the case then that’s perfectly fine if that’s long or short or lots of images or not. That’s essentially up to you.

私たちの観点では、ページの文字数をカウントして「100文字まではダメだ。100字から500字までは大丈夫、500字以上は5枚の写真が必要です。」というようなアルゴリズムはありません。

私たちはそのような見方をしていません。ページ全体を見て、これが本当にユーザーにとって魅力的で関連性のある検索結果であるかどうかを確認しています。もしそうであれば、長くても短くても、画像がたくさんあってもなくても、まったく問題ありません。それは基本的にあなた次第です。

English Google Webmaster Central office-hours hangout

記事の文字数と検索順位の関連性について、Googleのジョン・ミュラー氏が上記のとおり言及しています。

つまり、読者が求める内容に関連性のある情報を高く評価しており、その判断にはペルソナが必要です。

ペルソナの設定方法

ペルソナは、以下の流れで設定しましょう。

検索意図を考える

まずは、読者の検索意図を考えましょう。

読者が「なぜ、そのキーワードで検索したのか」を検討します。

たとえば、キーワードが「Webライター ペルソナ」であれば、想定できる検索意図は以下のとおりです。

一言に「ペルソナ」といっても、背景にはさまざまな検索意図が隠れています。

ターゲットを考える

検索意図をリストアップしたら、読者のターゲットを考えてみましょう。

ターゲットは、以下の項目を参考に大きな枠組みで検討します。

特定の一人を決めるのではなく、グループを検討するようなイメージで問題ありません。

たとえば、先述の「検索意図を考える」で想定したターゲットは、以下のように考えられます。

検索意図	想定ターゲット	年齢層
ペルソナの「意味」を知りたい	Webライターになりたての初心者	20～30代
ペルソナの「設定方法」を知りたい	Webライターとしてスキルアップしたい上級者	30～40代
ペルソナの「必要性」を知りたい	Webライターに慣れてきた中級者	20～30代

検索意図	想定ターゲット
ペルソナの意味を知りたい	Webライターになりたての初心者（20～30代）
ペルソナの設定方法を知りたい	Webライターとしてスキルアップしたい上級者（30～40代）
ペルソナの必要性を知りたい	Webライターに慣れてきた中級者（20～30代）

検索意図（悩みごと）によって、読者のスキルや年齢層をイメージできます。

ペルソナ（人物像）を考える

検索意図とターゲットを想定したところで、ようやくペルソナ（人物像）を考えます。

ペルソナは、ターゲットから「特定の一人」を想定するように設定してみてください。

たとえば「ペルソナの意味を知りたいWebライターになりたての初心者（20～30代）」であれば、以下のようなペルソナを設定できます。

年齢や性別などの項目を埋めてみると、読者の人物像が少しずつ見えてきます。

30代の女性が読者であれば、文章表現はやわらかな言葉づかいが理想です。

また、パートタイマーであれば、業務や家事のスキマ時間に記事を読むことも想定できます。

できる限りシンプルな文章構成を心がけるとよいでしょう。

といった具合にペルソナを設定すると、記事の書き方や内容が連想ゲームのようにつながっていきます。

項目例	補足
年齢	年齢層（～代）でOK
性別	テーマや商品にあわせて検討する （無理にあてはめる必要なし）
居住エリア	通勤通学のアクセスを考慮する場合に必要
職業	会社員・主婦・学生など
収入	読者の目標値を決める場合に必要（月〇万円）
悩みごと	検索意図から想定できる悩みや潜在意識など （具体的に考えること）

項目例	補足
年齢	年齢層（～代）でOK
性別	テーマや商品にあわせて検討する （無理にあてはめる必要なし）
居住 エリア	通勤通学のアクセスを考慮する場合に必要
職業	会社員・主婦・学生など
収入	読者の目標値を決める場合に必要 （月〇万円）
悩みごと	検索意図から想定できる悩みや潜在意識 （具体的に考えること）

上記の項目があれば、ペルソナを設定できます。

ただし、ペルソナの設定は、あくまでも「読者像をイメージする」のが目的です。

細かすぎる設定や記事の役に立たない項目は、考えたところで出番がないので注意しましょう。

【実例解説】ペルソナを設定してみた

ここからは「転職ブログ」を例に、手順に沿ってペルソナを設定してみます。

あくまでも個人的な観点ですが、ペルソナ設定の参考にしてみてください。

ペルソナ設定で失敗しないためのコツ

見当違いなペルソナを設定してしまうと、思わぬ失敗につながる可能性があります。

そこで、ここからはペルソナ設定で「失敗しないためのコツ」を解説します。

自己都合で設定しないこと

ペルソナは、筆者自身の都合で設定すべきではありません。

自分自身が書きたい内容ではなく、想定した検索意図（悩み）にあわせて設定しましょう。

自分の経験を活かしたいから「30代男性」に向けて書こう！

検索意図のメインターゲットは「20代女性」かも？

口コミやSNSなど、発信者のリアルな声を参考に設定するのもおすすめです。

人物像がブレないこと

ペルソナの設定範囲は、特定の悩みをもつ最小人数のグループが理想的です。

具体的には「男性または女性」のように、グループ分けできる要素を限りなく減らしましょう。

中途半端にどちらも意識した記事を書いてしまうと、読者が不要な情報にストレスを感じてしまいます。

ペルソナの設定は「または」を含めない意識が重要です。

事実やデータを活用すること

ペルソナの設定では、感覚や想像だけでなく、事実やデータも活用しましょう。

具体的なデータに基づくことで、より正確で現実的な読者像をイメージできます。

たとえば、以下のようなデータを活用すると便利です。

ターゲットに近いユーザーが発信しているリアルな声を参考にすれば、具体的なニーズや悩みを把握できます。

また、表面的な情報だけでなく、その裏にある動機や行動パターンの理解にも有効です。

Web記事の執筆は「読者を知ること」から始まります。

まとめ｜ペルソナ設定で読者をイメージしよう！

今回は「ペルソナとターゲットの違い」をテーマに、以下のコンテンツを解説しました。

Webライターの執筆業務は、悩みを抱えている読者（ペルソナ）を想定しながら対応します。

とはいえ、読者の人物像がわからなければ、悩みに対する適切なサポートはできません。

ペルソナを設定すれば「誰に向けて・何を書くのか」といった内容を精査できます。

記事に書くべきことを判断する材料として、ペルソナを効果的に活用しましょう。