
Webライターの文章力って、どうすれば向上するのかな?
Webライティングで重視すべきことは、たった一つ。
シンプルな文章で結論を伝えることです。
読者は結論を知りたがっています。そして、文章を読みたがりません。
つまり、Webライティングのスキルアップは「いかに無駄を省くか」が重要なポイントです。
そこで今回はWebライターに向けて、読みやすい文章を書くためのコツを解説します。



Webライターの経験がある「taku」が解説します。
- 読みやすい文章の特徴
- 初心者でも実践できるWebライティングのテクニック
- Webライターが文章を書くときに意識したいこと
読みやすい文章の特徴


読者は以下の文章に読みやすさを感じます。
- シンプルな文章
- 結論が伝わる文章
- 見やすい文章
読者がWeb記事を読む目的は、情報を求めたり悩みを解決したりすることです。
その目的を達成するために、一刻も早く「答え」を知りたがっています。
読みやすい文章=読まなくても伝わる文章
読みづらい文章=読まないと伝わらない文章・読んでも伝わらない文章



文章なんて読みたくない!答えだけ教えてほしい!
読者の本心は、意外にわがままだと想定しましょう。
1.シンプルで内容がわかりやすい文章
読者に内容を伝えるコツは、不要な情報を減らしたシンプルな文章を書くことです。
野球のコリジョンルールはキャッチャーがランナーの進路を妨害するとぶつかってしまう可能性があるので、ケガをしないように2016年にプロ野球で導入された衝突を防ぐルールです。
体当たりするとキャッチャーが吹っ飛び、ブロックするとランナーが足をケガします。ちなみにコリジョンとは、衝突の英語です。
野球のコリジョンルールとは、本塁に向かうランナーとキャッチャーの衝突(英:collision)を防ぐためのルールです。
「体当たり」や「ブロック」によるケガが多発したことから、日本プロ野球では2016年に導入されました。
さまざまな情報が含まれた文章は、読者を混乱させてしまいます。
読者が知りたい内容を最小限の情報で伝えることが、文章の読みやすさにつながります。
2.結論が「最短」で伝わる文章
読者が知りたい情報は「最短」で伝えることが大切です。
計算式「1+1」の答えは、リンゴを想像すると導きやすいです。
右手と左手に1つずつリンゴを持っている状況を想像してください。そのリンゴをあなたの正面に並べて置きます。並べて置いたリンゴを数えると「2つ」あることが分かるでしょう。
つまり「1+1」の答えは「2」です。もしリンゴが苦手な場合は、ミカンでイメージしても大丈夫です。
計算式「1+1」の答えは「2」です。
上記の悪い例では、20文字もあれば伝わる結論をムダな情報で補ってみました。
なんだかよくわからない例えを読まされて、ようやく知りたい結論にたどり着きます。



あぁ、僕はミカンのほうがちょっと分かりやすい…ってなるかぁ!
3.見た目が整っている文章
Webライティングは「見た目」を整えることも重要です。



文章なのに見た目を意識するの?
ほとんどの読者は、Webサイトの記事を読み飛ばします。
小説のストーリーを楽しむように、一文字も逃さずに読み切ることはありません。


文章を読み飛ばす読者に内容を伝えるコツは「箇条書き」と「表」です。
とくに複数の要素を比較する文章では、効果的に活用できます。
箇条書きは簡易的な比較に効果的
文章で書くと
悪の組織と戦うゴレンジャーは「アカレンジャー」「アオレンジャー」「キレンジャー」「モモレンジャー」「ミドレンジャー」からなる5人組のヒーローです。
箇条書きにすると
- アカレンジャー
- アオレンジャー
- キレンジャー
- モモレンジャー
- ミドレンジャー
表は詳細の比較に効果的
文章で書くと
アカレンジャーは格闘能力と指揮能力に優れたリーダーです。サブリーダーのアオレンジャーは、弓の遠距離攻撃とキック技を得意としています。そのほかにも「キレンジャー」「モモレンジャー」「ミドレンジャー」といった個性豊かなメンバーで、世界征服を企む黒十字軍から人類を守っています。
表にすると
メンバー | 役割・特徴 | 得意技 |
---|---|---|
アカレンジャー | 格闘能力と指揮能力に優れたリーダー | レッドビュート |
アオレンジャー | 遠距離攻撃とキックを得意とするサブリーダー | ブルーチェリー |
キレンジャー | 怪力を活かした力持ち | キーステッカー |
モモレンジャー | 紅一点・爆弾開発のスペシャリスト | イヤリング爆弾 |
ミドレンジャー | マスコットキャラクター的な存在 | ミドメラン |
初心者でも実践できるWebライティングのテクニック


読みやすい文章を書くためには、Webライティングのテクニックを理解しましょう。
これから紹介する10個のテクニックは、Webライター初心者でも実践できる基本的な内容です。



一つずつ焦らず、順番にチェックしてみましょう。
①文章は40文字以内で区切る
読者に的確な情報を伝えるため、文章は40文字以内で区切りましょう。
読者は文章を「一つの固まり」として認識するため、情報量の多い長文に疲れを感じてしまいます。
- 句読点は1文に1つまで
- 無駄な接続詞を省く
たくさんの情報を伝えようとすると、文章が長くなりがちです。
上記2つのポイントを意識すると、文章を40文字以内で区切るコツをつかめます。
1.読点は1文に1つまで
文章が長くなるおもな原因は、読点「、」を多用してしまうことです。
読点「、」は1文に1つ、多くても2つまでを意識しましょう。
ここ数年は年末年始も仕事で忙しかったのですが、今年は休みがとれたので久しぶりに実家に帰省してのんびりできたし、初詣は家族と一緒に伊勢神宮に行きました。
ここ数年は年末年始も仕事で忙しかった。今年は休みがとれたので、久しぶりに実家に帰省してのんびりできた。初詣は家族と一緒に伊勢神宮に行きました。



「~ですが、」を使わないことも意識しましょう。
2.無駄な接続詞を省く
接続詞の多用は、読みづらさを招く原因です。
接続詞がないと文章のつながりを欠いてしまうように感じるかもしれませんが、意外に削除しても意味は伝わります。
接続詞がなくても意味が伝わるパターン
接続詞をなくせば文章をまとめられるパターン
順接:だから/よって/そのため
逆接:しかし/ですが/ところが
並列:また
添加:そして/しかも/さらに
列挙:はじめに/続いて/最後に
換言:つまり/すなわち/むしろ
補足:なお/ちなみに
②文章は結論から記載する
文章の結論を先頭に書くことで、読者は情報をスムーズに把握できます。
初心者で文章を書くことに慣れていない場合は、以下のひな形を活用するのも効果的です。
SDS法:簡潔に伝えたい場合に効果的
PREP法:詳細を伝えたい場合に効果的
1.SDS法
SDS法は「概要→詳細→概要」の順に文章を構成するひな形です。
S:Summary(概要)
D:Details(詳細)
S:Summary(概要のまとめ)
自己紹介やスピーチの手法として用いられることもあり、さまざまなビジネスシーンで活用されています。
S:概要
SDS法を活用すると要点をスムーズに伝えられます。
D:詳細
「概要→詳細→概要」の順に文章を構成するひな形として、自己紹介やスピーチでも活用されています。
S:概要のまとめ
さまざまなビジネスシーンで活用できるSDS法を覚えましょう!
2.PREP法
PREP法は「要点→理由→具体例→要点」の順に文章を構成するひな形です。
P:Point(要点)
R:Reason(理由)
E:Example(具体例)
P:Point(要点のまとめ)
最初に要点を記載することで、読者に「求めている情報がココにあるよ!」と伝えられます。
さらに、要点に至る理由や具体例を提示することで、読者の理解を深める効果も期待できます。
P:要点
PREP法はWebライティングのひな形として便利です。
R:理由
「要点→理由→具体例→要点」の順に文章を構成することで、読者は求める情報をスムーズに理解できます。
E:具体例
具体例を提示して要点を再度振り返ることで、読者の理解を深める効果も期待できるでしょう。
P:要点のまとめ
文章力に自信がない初心者は、PREP法のひな形を活用しましょう!


③主語と述語のねじれ(不一致)を避ける
文章の基本は「主語+述語」の構成です。
私の文章は、読みづらいと言われるのでいつも悩んでいます。
上記の文章は、主語と述語がねじれています。
主語:私の文章
述語:悩んでいます



文章が悩んでいるの?
悩んでいるのは文章を書く「私」であるため、以下のように修正すべきです。
私は、文章が読みづらいと言われるのでいつも悩んでいます。
文章を読みながら「不自然さ」を感じたら、主語と述語のねじれをチェックしてみましょう。
④口語表現は文章表現に変える
会話で使う口語表現(話し言葉)は、文章表現として適さない場合があります。
口語表現の代表例は、ら抜き言葉や「ちゃんと」「すごい」「〜じゃない」などです。
⑤同じ文末表現を繰り返さない
文末表現「です。」「ます。」を繰り返すと、抑揚がなく端的な印象を与えてしまいます。
私は集中したいときにコーヒーを飲みます。コーヒーには眠気を覚ます効果があります。夜中に眠れなくなるので、飲みすぎには注意しています。
私は集中したいときにコーヒーを飲みます。コーヒーには眠気を覚ます効果があるそうです。夜中に眠れなくなるので、飲みすぎには注意しています。
抑揚のない文章は、息継ぎするタイミングを見失うような読みづらさを感じます。
以下の文末表現を駆使しながら、繰り返しは「最大2回まで」を心がけましょう。
- です
- ます
- でしょう
- しましょう
- してください
- 体言止め
⑥「てにをは」を正しく使用する
言葉をつなぐ助詞「てにをは」は、使い方次第で文章の印象がガラッと変化します。
ネコ「が」好きです。
ネコ「は」好きです。



ネコ「は」好きってことは、もしかしてイヌは嫌い?
「てにをは」ひとつで読者のとらえ方が変わるので、伝えたいことと表現が一致しているかどうかをチェックしましょう。
また、助詞は省略しても意味が伝わることもあります。
シンプルな文章を心がけるためにも、できる限りムダを省きましょう。
⑦文章に同じ単語を繰り返さない
文章に同じ単語を繰り返すことは、しつこさを感じる原因となります。
先日見た映画は、最高の映画でした。
「映画を見たこと」「最高の映画だったこと」をていねいに伝えようとして、上記のような文章を書いてしまうケースがあります。
単語を繰り返してしまった場合は、以下の対処方法で修正しましょう。
修正案①:該当箇所を削除する
「先日見た映画は、最高でした。」
修正案②:該当箇所の表現を変える
「先日見た映画は、最高の作品でした。」
⑧指示代名詞を多用しない
指示代名詞「これ」「それ」「あれ」「どれ」は、できる限り使用しないことをおすすめします。
読者は文章を上から下まで細かく読まないので、途中から読んだ場合に何を指しているのかわからずに迷ってしまいます。
記事全体で指示代名詞を使用しないことが理想的です。
ただし、どうしても使用したい場合は「大見出しにつき1回まで」を目安としましょう。
⑨具体的な数字を記載する
値や範囲を表現する場合は、具体的な数字を示しましょう。
とくに「多い/少ない」「大きい/小さい」といった表現は、個人の尺度で解釈に差が出てしまいます。
ランサーズに登録しているWebライターは、とても多いです。



とても多いってことは…100万人くらい?
ランサーズのライター数は、2022年1月時点で約22万人です。
読者が誤って解釈しないよう、情報を正しく伝える文章を心がけましょう。
⑩適度に漢字をひらく
漢字が多い文章は読みづらさを感じるため、適度に「ひらがな」「カタカナ」に変換しましょう。
漢字で書くべきかどうかの明確な基準はありません。
三省堂のサイトでは「ひらがなで書いたほうがよい単語」として、以下のような例が挙げられています。
形式名詞 | こと[事] もの[物] とき[時] |
形容詞 | おもしろい[面白い] かわいい[可愛い] すばらしい[素晴らしい] うれしい[嬉しい] うらやましい[羨ましい] |
副詞 | あえて[敢えて] あらかじめ[予め] せっかく[折角] ぜひ[是非] ほとんど[殆ど] |
接続詞類 | あるいは[或いは] および[及び] すなわち[即ち] ただし[但し] |
Webライターが文章を書くときに意識したいこと


Webライティングのテクニックを駆使することで、読みやすい文章を執筆するコツがつかめます。
しかし、Webライターには「内容が伝わる文章」を書くことも大切です。
ここからはWebライターの心構えとして、意識したい3つのポイントを解説します。
- 結論をまとめてから書く
- 1文字でもムダを省く
- 文章で価値を提供する
①結論をまとめてから書く|読者に伝えたいことを考える
文章を書く前に、各見出しで伝えたい「結論」をまとめましょう。
ライター自身が理解していない結論は、読者に伝わりません。
文章を書くことは想像以上に時間がかかります。
しかし、頭の整理ができないまま焦って書き進めると、かえって修正に時間を奪われてしまうこともあるはずです。
Webライティングは「結論ファースト」が基本です。
慌てずじっくりと、読者に伝えたいことを考えましょう。
②1文字でもムダを省く|読者は文章を読みたくない
読者が求める情報に最短距離で到達できるよう、1文字でもムダを省く意識が大切です。
とくに初心者の場合は「文字数を増やしたい」と考えてしまい、不要な文章を書いてしまうこともあります。
- なくても意味が伝わる表現
- 重複する単語や文章
- 本題とはズレた補足説明
上記のような内容は、クライアントから「文字数稼ぎ」と判断される場合もあります。
不用意にクライアントの評価を下げないためにも、本当に必要かどうかを判断しましょう。
③文章で価値を提供する|読者に喜んでもらおう


Webライターが記事を執筆する目的は「読者に価値を提供するため」です。
文章の執筆が完了したら、読者が価値を感じて喜んでくれるかどうかを検討してみましょう。
自分が書いた文章を客観的に読みながら、以下の観点でチェックしてみてください。
- 文章が読みやすいか
- 結論が伝わるか
- 何を解決できるか
- どのようなアクションにつながるか
Webライティングのコツはシンプルに結論を伝えること


Webライティングで重視すべきことは、シンプルな文章で結論を伝えることです。
高度なテクニックやユニークな表現ではなく、簡潔でわかりやすい書き方が最適でしょう。
極端なことを言うと、各見出しに結論だけを書けば最もシンプルです。
超スリムな記事が完成します。



さすがに理由も書かないと読者は納得しないよ?
そしたら、理由と具体例も付け加えましょう。
最後に念のため、結論をもう一度書きましょう。
何が言いたいのかというと、まずはPREP法を覚えることが文章力アップへの近道ですよ。


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