ペルソナとターゲットの違い|読者の具体的な人物像

ペルソナって何?ターゲットとは違うの?

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聞きなれない用語だから、経験者でも「ターゲット」と混在しがちかも。

今回はWebライティングにおけるペルソナの意味や使い方、ターゲットとの違いを解説します。

まとめの見出しには、学習効果を高めるための「理解度チェック」も用意しています。

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馴染みのないテーマかもしれませんが、じっくりと理解しながら読み進めてみてください!

執筆者プロフィール

taku
  • Webライター(4年)
  • Webディレクター(1年)
  • 元システムエンジニア(9年)

未経験からフリーランスのWebライターに転身。
保有資格:SEO検定1級・FP3級
2つのブログを運営しています。

目次

ペルソナとは|読者の人物像

Webライティングにおける「ペルソナ」とは、記事の読者を想定した人物像を指します。

Web記事は「読者のために書く」が大前提であり、読者を想定しないと何を書けばよいのか把握できません。

ペルソナはマーケティング用語

企業が設定する「提供する商品やサービスを求める顧客」の具体的な人物像。

明確な人物像を設定することで、顧客のニーズを深く理解できる。

つまり、Webライティングで考えるべきペルソナは、記事を読んでほしい人の具体的な人物像です。

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ペルソナとターゲットの違い

ペルソナって「ターゲット」とは違うの?

ペルソナの意味を理解すると「ターゲットとの違い」に困惑してしまいます。

なぜなら、ペルソナとターゲットは、同じ読者に目を向けるからです。

ターゲット

想定する読者のグループ

ペルソナ

ターゲットからピックアップした一人の読者

ペルソナとターゲットの違い

たとえば、釣り人向けのWebサイトであれば「釣りが好きな人」をターゲットに記事を書きます。

釣り人のイメージから、おそらく「30~40代男性」がメインターゲットとなるでしょう。

一方でペルソナは、細かな条件を設定してターゲットから「特定の一人」をピックアップします。

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ペルソナを重要視する理由

Webライティングでペルソナを重要視する理由は「誰のために、どんな記事を書く」といった目的を明確にするためです。

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適当にエサをつけて「何か釣れたらいいな〜」ではなく、獲物にあった仕掛けを考えて釣ることが重要。

読者が求める情報を把握する

読者が求める情報を把握するため

ペルソナを設定する目的は、読者がどんな人で何を求めているか(悩んでいるか)を考えることでもあります。

人によって求める情報や価値観が異なるので、書くべき内容をペルソナにあわせて変更すべきです。

たとえば、キーワード「Webライター ペルソナ」で記事を書く場合は、以下のような複数のテーマが挙げられます。

  • 「ペルソナ」を知らない人に向けた記事
  • 「ペルソナ」の適切な設定方法を知りたい人に向けた記事
  • 「ペルソナ」の重要性に疑問を感じている人に向けた記事

ペルソナを知らない人は「意味」を知りたいはずです。

設定方法を知りたい人は、すでに意味を理解していると想定できます。

読者が知りたい内容を伝えるためには、筆者自身も「読者を知ること(想定すること)」が重要です。

記事に不要な情報を省く

記事に不要な情報を省くため

Webライティングの重要な観点は「必要な情報をわかりやすく伝える」です。

たくさんの情報を詰め込んだ記事は、読者が求める結論にたどり着く手間を増やしてしまいます。

読者が記事を読む理由は、悩みや困りごとを解決したいからです。

そして、悩みや困りごとは「できるだけ早く解決したい」と考えるはず。

求めている答えが見つからなければ、読者は記事から離脱してしまいます。

読者の求める情報を明確にするのが、ペルソナ設定の重要な要素です。

書くべき内容を明確にする

書くべきことを明確にするため
  • 読者が求める情報を把握する
  • 記事に不要な情報を省く

ペルソナから得られる上記のメリットは、Web記事に書くべき内容を明確にします。

Webライティングでは、読者に不要な情報まで付け足してしまいがちです。

しかし、読者に不要な情報を増やしても、Web記事の価値は高まりません。

From our point of view, we don’t have an algorithm that counts the words on your page and says “Oh, everything until 100 words is bad. Everything between 100 and 500 is fine, and over 500 needs to have five pictures.”

We don’t look at it like that. We try to look at the pages overall and make sure that this is really a compelling and relevant search results to users. And if that’s the case then that’s perfectly fine if that’s long or short or lots of images or not. That’s essentially up to you.

私たちの観点では、ページの文字数をカウントして「100文字まではダメだ。100字から500字までは大丈夫、500字以上は5枚の写真が必要です。」というようなアルゴリズムはありません。

私たちはそのような見方をしていません。ページ全体を見て、これが本当にユーザーにとって魅力的で関連性のある検索結果であるかどうかを確認しています。もしそうであれば、長くても短くても、画像がたくさんあってもなくても、まったく問題ありません。それは基本的にあなた次第です。

English Google Webmaster Central office-hours hangout

記事の文字数と検索順位の関連性について、Googleのジョン・ミュラー氏が上記のとおり言及してます。

つまり、読者が求める内容に関連のある情報を高く評価しており、関連性の判断にはペルソナが必要です。

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ペルソナの設定方法|3ステップで解説

ペルソナの設定は、以下の流れで考えましょう。

検索意図を考える

検索意図を考える

まずは、検索意図を考えましょう。

検索キーワードから「誰に向けて、どんな記事を書くか」の前段階を検討します。

たとえば、キーワードが「Webライター ペルソナ」であれば、想定できる検索意図は以下のとおりです。

  • 「ペルソナ」の意味を知りたい
  • 「ペルソナ」の設定方法を知りたい
  • 「ペルソナ」が必須事項かどうかを知りたい

一言に「ペルソナ」といっても、背景にはさまざまな検索意図が隠れています。

この検索意図を把握できれば、記事に書くべき内容が見えてくるはずです。

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検索意図については、以下のカリキュラムで詳しく解説しています。

検索意図の調べ方はこちら

ターゲットを考える

ターゲットを考える

検索意図がまとまったら、読者のターゲットを考えてみましょう。

ターゲットは以下の項目を参考に、大きな枠組みで検討しても問題ありません。

  • 性別
  • 職業
  • 年齢層
  • スキル
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すべての項目を使わなくても大丈夫です。

たとえば、「検索意図を考える」の見出しで想定したターゲットは、以下のように考えられます。

検索意図想定ターゲット年齢層
ペルソナの「意味」を知りたいWebライターになりたての初心者20~30代
ペルソナの「設定方法」を知りたいWebライターとしてスキルアップしたい上級者30~40代
ペルソナが「必須事項かどうか」を知りたいWebライターに慣れてきた中級者20~30代

検索意図(悩みごと)によって、読者のスキルや年齢層をイメージできます。

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あくまでも想定なので、シンプルな発想でイメージしてみましょう。

ペルソナ(人物像)を考える

ペルソナ(人物像)を考える

検索意図とターゲットを想定したところで、ようやくペルソナ(人物像)を考えます。

ペルソナは、ターゲットから「特定の一人」を想定するように設定してみてください。

たとえば「ペルソナの意味を知りたいWebライターになりたての初心者(20~30代)」であれば、以下のようなペルソナを設定できます。

ペルソナの設定例

年齢:30代
性別:女性
居住エリア:関東地区
職業:パートタイマー
検索意図:ペルソナの意味を知りたい
悩み:
Webライターを始めて間もないので、クライアントの評価を上げたい。
スキルアップに取り組んでいる過程で「ペルソナが重要」と知ったが、詳しい知識が身についていない。

年齢や性別などの項目を埋めてみると、読者の人物像が少しずつ見えてきます。

30代の女性が読者であれば、文章表現はやわらかな言葉づかいが適切です。

また、パートタイマーであれば、業務や家事のスキマ時間に記事を読むことも想定できます。

できる限りシンプルな文章構成を心がけると良いでしょう。

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といった具合にペルソナを設定すると、記事の書き方や内容が連想ゲームのようにつながっていきます。

項目例補足
年齢年齢層(~代)でOK
性別テーマや商品に合わせて検討する
(無理にあてはめる必要なし)
居住
エリア
通勤通学のようにアクセスを考慮する場合に必要
職業会社員、主婦や学生など
収入読者の目標値を決める場合に必要(月〇万円)
悩みごと検索意図から想定できる悩みや潜在意識など
(具体的に考えることを推奨します!)
ペルソナに設定したい基本的な項目

上記の基本的な項目があれば、ペルソナを設定できます。

ただし、ペルソナの設定は、あくまでも「読者像をイメージする」のが目的です。

細かすぎる設定や記事の役に立たない項目は、考えたところで出番がないので注意しましょう。

ペルソナには設定不要な項目

ここまで、ペルソナの考え方は「ターゲットから特定の一人を想定する」と解説しました。

しかし、ペルソナの設定にパーソナル(個人的)な項目は不要です。

なぜなら、Web記事は「同じ悩みをもつ複数人の読者」に読まれます。

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たった一人の読者に向けて、記事を書くことはありません。

パーソナルな項目例
  • 名前(仮名)
  • 職歴・学歴
  • 役職
  • 家族構成・恋人
  • 性格
  • 趣味・休日の過ごし方

たとえば「ペルソナ太郎さん」と仮名を設定しても、記事の執筆には一切活用できません。

また、職歴や学歴のような過去の情報ではなく「いま悩んでいること」のほうが重要です。

Web記事の役割は「読者の悩みを解決すること」です。

あまり細かな項目を設定しても、記事執筆に使用しない情報は役に立ちません。

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【実例解説】ペルソナを設定してみた

ここからは「転職ブログ」を例に、手順に沿ってペルソナを設定してみます。

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あくまでも個人的な観点ですが、参考にしてみてください。

STEP
転職ブログへの検索意図を考える

まずは、検索ユーザーが転職ブログを活用する理由から考えます。

シンプルに考えれば「転職に成功したいから(失敗したくないから)」です。

さらに理由を深堀するため、なぜ「転職に成功したい」のかを考えます。

深堀する方法としては、ポジティブ・ネガティブの観点に分けるのもおすすめです。

観点①:ポジティブな理由

転職してキャリアアップしたい(待遇・収入)

観点②:ネガティブな理由

職場で抱えるストレスを解決したい(労働時間・人間関係)

つまり、転職ブログを活用するユーザーは、以下の悩みを解消したいと想定できます。

解決したい悩み
  • 転職活動に成功したい
  • キャリアアップしたい
  • 職場のストレスを解決したい
STEP
ターゲットを考える

STEP1で想定した検索意図から、読者のターゲットを考えます。

ターゲットを考えることに慣れていない場合は、2項目ほど設定すれば大丈夫です。

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個人的にも項目が細かいと難しさを感じてしまうで、悩まない程度に考えられる範囲で設定しています。

悩みからターゲットを考える
  • 転職活動に成功したい
    →20代前半・大学生
  • キャリアアップしたい
    →30代・男性・ITエンジニア
  • 職場のストレスを解決したい
    →20代・女性

「転職活動に成功したい」のように抽象的な悩みを設定すると、ターゲットを絞るのに苦戦することもあります。

ターゲットを絞るのに苦戦する場合は、少しだけ悩みを変えるのも効果的です。

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今回は転職ではなく「就職活動」に置き換えて、ターゲットを大学生に絞ってみました。

STEP
ペルソナ(人物像)を考える

STEP2で想定したターゲットから、読者のペルソナを考えます。

100点のペルソナを考えるのは難しいので、まずはターゲットから浮かんだ人物像を具体化してみましょう。

ペルソナの正解を出すのではなく「どんな人かな?」と自分なりの考えを出すように意識しよう!

悩みごと就職活動に成功したい
年齢20代前半
職業大学生
関心事大学卒業後の進路、インターンシップ、履歴書の書き方
ペルソナの特徴進路を検討している。
就職活動に取り組んでおり、アドバイスを求めている。
ペルソナの設定例

上記のようにペルソナを設定すると、転職ブログの記事を想定読者にあわせて検討できます。

たとえば「20代前半・大学生」のペルソナには、新卒者向けの転職ガイドやキャリアスタートのアドバイスを提供するのが効果的です。

また、それ以外のペルソナには「スキルアップ」や「ストレス管理」に焦点を当てたコンテンツが適しています。

ペルソナ設定で気をつけたいこと|失敗しないコツ

先述の「ペルソナの設定方法」で解説したとおり、ペルソナ設定に細かな項目は不要です。

とはいえ、見当違いなペルソナを設定してしまうと、思わぬ失敗につながる場合もあります。

そこで、ここからはペルソナ設定で「失敗しないためのコツ」を解説します。

自己都合のペルソナ設定はNG

自己都合のペルソナ設定はNG

ペルソナを筆者自身の都合で設定するのはNGです。

自分が書きたい内容にあわせるのではなく、想定した検索意図(悩み)から設定しましょう。

自分の経験を活かしたいから「30代男性」に向けて書こう!

検索意図のメインターゲットは「20代女性」かも?

ペルソナの設定は、口コミやSNSなどからリアルな悩みの発信者を参考にするのもおすすめです。

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理想の読者ではなく、実在する読者に目を向けるべき。

人物像がブレないこと

人物像がブレないこと

ペルソナの設定範囲は、特定の悩みをもつ最小人数のグループが理想的です。

具体的には「男性または女性」のように、グループ分けできる要素を限りなく減らしましょう。

たとえば「スキンケア」の悩みは、男性も女性も抱えています。

しかし、性別によって悩みの内容が異なるはずです。

中途半端にどちらも意識した記事を書いてしまうと、読者が不要な情報にストレスを感じてしまいます。

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ペルソナに「または」は厳禁!

細かく設定しすぎないこと

細かく設定しすぎないこと

ペルソナには、細かく設定しすぎないように心がけましょう。

ペルソナを深掘りしすぎてしまうと、読者の検索意図を網羅できないからです。

読者によって異なる悩みは、特定の一人に目を向けて解決できるほど単純ではありません。

あくまでもペルソナは、検索意図を精査する一つの手段です。

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ターゲットを5~10人くらいに絞るイメージで設定してみてください。

【カミングアウト】本記事は細かなペルソナ設定を考えていない

本記事のペルソナは、以下のように設定できます。

本記事のペルソナ設定

年齢:-
性別:-
居住エリア:-
職業:Webライティングの初心者
検索意図:ペルソナについて詳しく知りたい
悩み:
Webライティングを学んで間もないのでスキルアップしたい。
スキルアップに取り組んでいる過程で「ペルソナが重要」と知ったが、詳しい知識が身についていない。

ペルソナの意味を知りたい初心者に向けて「ペルソナとは?」を伝えるのがメインテーマです。

「どんな人が記事を読むかな?」と想像しながら、以下の流れを想定して書きました。

  1. 初心者は「ペルソナとは?」が知りたい
  2. ペルソナが重要だと知った読者は「なんで?」と考える
  3. 理由に納得した読者は「じゃあ設定してみようかな?」と考える
  4. いざ設定しようと思うと「失敗したくないな」と考える

正直に言うと、Web記事はペルソナを細かく設定しなくても書けます。

あまり難しく考えずに、読者を想定するための材料として効果的に活用しましょう。

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今回のまとめ|理解度チェックでおさらいしよう!

今回は、ペルソナの考え方やターゲットとの違いを紹介しました。

学習した内容を理解度チェックでおさらいしてみましょう。

理解度チェック(タップで開く)

空欄箇所を表示するには?
パソコン:マウスカーソルを当てる
スマホ :タップする

ペルソナとは
  • ペルソナは記事を読んでほしい人の具体的な人物像を指す
ペルソナとターゲットの違い
  • ターゲット:想定する読者のグループ
  • ペルソナ:ターゲットからピックアップした一人の読者
ペルソナを重要視する理由
  • 読者が求める情報を把握するため
  • 記事に不要な情報を省くため
  • 書くべきことを明確にするため
ペルソナの設定方法
  • ペルソナの設定は以下の流れで考える
    • 検索意図を考える
    • ターゲットを考える
    • ペルソナ(人物像)を考える
  • ペルソナは、ターゲットから「特定の一人」を想定するように設定する
  • ペルソナに設定したい基本的な項目
    年齢」「性別」「居住エリア」「職業」「収入」「悩み事
  • ペルソナには設定不要な項目
    名前」「職歴・学歴」「役職」「家族構成」「性格」「趣味
ペルソナ設定で気をつけたいこと
  • ペルソナは、自分が書きたいことではなく検索意図(悩み)から設定する
  • ペルソナは、特定の悩みをもつ「最小人数のグループ」が理想的

Webライティングにおいて、読者を想定しながら記事を書くのは大切です。

ただし、ペルソナは、あくまでも検索意図を精査する一つの手段にすぎません。

記事に書くべきことを判断する材料として、ペルソナを効果的に活用しましょう。

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