保育士の副業にWebライターってアリかな?
働き方が多様化する現代では、副業にチャレンジする人が増えています。
なかでも、未経験からでも始めやすい「Webライター」は、注目を集める副業のひとつです。
とはいえ、経験したことのない副業に挑戦するのは、どうしても不安を感じてしまいます。
そこで今回は、保育士としてWebライターの副業に携わっているひいろさんに体験談をお聞きしました。
副業の働き方や保育士であることの強みなど、リアルな話を教えてくださいました。
保育士歴7年。結婚を期に退職し、今はパートで保育士の仕事をしながらWebライターをしています。保育系の記事や体験記事をメインに執筆中です。
現役保育士に聞いてみた|Webライターを始めたきっかけは?
今回、体験談をご提供いただいたひいろさんは、パート保育士として勤務しながらWebライターの業務に取り組んでいます。
副業としてWebライターを選んだ理由やきっかけなど、気になることをいくつか質問させていただきました。
「保育士」として働く人に向けて、参考になるような質問をお伺いしてみました。
副業(Webライター)を始めた理由
副業(Webライター)を始めたきっかけはありますか?
私がWebライターの副業を始めたのは、以下3つの理由がきっかけです。
- 転勤族だったこと
- 子どもがまだ小さかったこと
- 不妊治療をしていたこと
転勤族だったこともあり、保育士として働き始めても夫の転勤のたびに仕事を辞めなければなりませんでした。子どもがまだ小さいので、体調を崩すたびに仕事を休むのがストレスだったこともあります。
また、途中から不妊治療も始まり、いつ休むことになるかわからなくなりました。場所や時間に縛られた仕事が難しい状況でした。
生活環境が変化する状況では、仕事選びの選択肢がどうしても減ってしまいそうですね。
転勤しても継続して続けられるように、在宅でできるWebライターを始めました。子どもが体調を崩しても仕事を調節しやすく、時間と場所に縛られない仕事がしたいと思いました。
副業にWebライターを選んだ理由
副業にWebライターを選んだ理由はありますか?
在宅勤務のなかで、Webライターがもっとも手軽に始めやすかったからです。
在宅勤務の仕事を探していると、オンライン秘書・動画編集・Instagram運用など、など聞いたこともない、やったこともないような仕事ばかりでした。まったくの初心者には難しいものばかりです。
たしかに僕自身もそうですが、未経験からの始めやすさはWebライターが選ばれる大きな要因ですね。
ライターの業務は「文章を書くこと」と理解できたので、自分が書けそうな保育系の記事に絞って仕事を探すところから始めました。
保育士の仕事だけに専念することは難しかったのですか?
保育の仕事はパート勤務でしたので、大きな不満はありません。しかし、自分が年を取っても続けられるのか、大きな事故を起こさないのかといった不安がありました。
自分の経験を役立てながら長く続けられそうな仕事をしてみようと思ったのも、保育系のWebライターを選んだ理由です。
Webライター以外の選択肢も検討しましたか?
Webライター以外に検討した仕事はありますか?
入力系の仕事を見つけて求人に応募したことがあります。ただ、在宅ならなんでもいいと思ったのですが、スキルがなかったので求人に受かることはありませんでした。
未経験ジャンルの求人に応募するのって、採用までのハードルが想像以上に高いですよね。
そこで、お金があればいいのか、やりがいはなくてもいいのかと、改めて自分が何をしたいのかを考えました。
もともと扶養内の金額までしか働く予定がなく、年齢も34歳なので「やりがいのない仕事でもいいや」と思っていました。しかし、そのまま年をとっていくのは「虚しいのでは?」と思うようになりました。
仕事が変わるタイミングって、自分の将来を考えるきっかけになりますよね。
結果として、在宅ならなんでもよいわけではありませんでした。ある程度のやりがいを感じながら、自分の興味や体験を伝えられるような仕事を選びたいと思いました。
「在宅でできる仕事」に絞り込もうと考え直し、Webライターを選択しました。
保育士を辞めることは検討しましたか?
保育士を辞めて「本業」のWebライターになる選択肢はありましたか?
いまは正規職員が休んだ際の代替保育士としてパートをしています。以下の理由もあり、保育士のパートを辞めることは検討していません。
- 職場環境がよい(急な休みにも快く対応してくれる)
- パートの勤務日数が少ない(休む職員があまりいない)
- 気分転換になる(ずっとパソコンに向き合っているよりも)
- ライターの収入が安定していない(まだ始めたばかりなので)
環境や職場が変わらなければ、パートも続けていくと思います。
Webライターを選んでよかったことは?
Webライターを選んで「よかった」と感じたことを教えていただきました。
これからWebライターを目指す人にも役立つ情報なので、ぜひ参考にしてみてください。
誰かの役に立っていると実感できる
自分の体験や経験が「誰かの役に立っている」と感じられたのが嬉しかっらです。
自分の経験を誰かが役に立ててくれるのは素敵なことですよね!
今までの執筆案件では、すべて自分の経験や知識に基づいたものを選ぶようにしています。
たとえば、子育てや不妊治療に対する体験談、製作物の作り方や保育に対するねらい。あとは、子どもの成長についてなど。自分で培った知識や経験が人の役に立つことに、やりがいを感じています。
人間関係のストレスがほとんどない
人間関係のストレスがほとんどないこともよかったです。正規職員で働いているときは、先輩や同僚との人間関係のストレス、保護者対応の悩みなど悩みが尽きませんでした。
職場の人間関係は、どうしても気をつかうことへのストレスが尽きませんよね。
Webライターはフリーランスなので、嫌な仕事を受ける必要はありません。自分にあわないと思えば、すぐに辞められるのもよかったです。
時間や場所に縛られない
Webライターは、時間や場所に縛られないのがよかったです。保育士は必ず出勤する必要があったので、時間にも場所にも縛られていました。
「出勤しなくていい」は、僕自身も恩恵を感じています。自分のペースで仕事がしやすいのは、Webライターの大きなメリットですね。
転勤で引っ越ししても、不妊治療で急に病院に行くときも、子どもが体調不良でも、Webライターならパソコンさえあればどこでも仕事できます。
Webライターになって苦戦したことは?
Webライターの副業を始めて「苦戦したこと」も聞いてみました。
新しい業種にチャレンジすると、最初は誰でも苦戦してしまいます。
しかし、意外に似たような悩みで苦戦しがちなので、モデルケースとして事前に知っておくと参考になります。
思った以上に執筆が難しい
最初は3000文字の文章すら書けず苦戦しました。まずWebライターの知識がなかったので、指定された文字数を書くことすらできませんでした。
たしかに、文章を書くだけと思いきや、文字数をクリアするだけでも精一杯ですよね。
手軽に始められると思ったWebライターでしたが、奥が深く、勉強が必須でした。
その気持ちはすごくわかります。
Webライターを始めて約1年ですが、まだまだ勉強しながら知識をインプットしています。とはいえ、どのようにスキルアップしていけばいいのか苦戦中です。
いまでは1万文字ほど書けるようになりました。しかし、長くだらだらとした文章ではなく「人に読んでもらえる文章」を書くのがとても難しいです。
「人に読んでもらえる」を意識するのは難しさを感じますが、とてもよい考えだと思います!
なかなか文字単価が上がらない
Webライターとして、文字単価を上げていくことにも苦戦しています。最初は経験を優先していたので、報酬を後回しで考えました。
1記事200円(文字数1500文字)という激安の仕事から始め、1記事1000円(文字数1000~3000文字)に。その後、1記事3000円(3000文字)と徐々に単価を上げていきました。
スタートはどうしても低単価の案件を選んでしまいますよね。でも、徐々に単価アップを進められているんですね。
今まで獲得した案件では、文字単価1円が最高値です。できるだけ単価の高い案件に応募していますが、なかなか受注できないのが悩みです。
スキルアップの必要性を感じていますが、どのような方法がよいのか模索しています。
実績を積むために案件の受注を優先するか、収益を安定させるために文字単価を上げるか。バランスよく案件を選びたいところですが、なかなか上手くいかないのが悩みどころですね。
収入が安定しない
収入が安定しないことにも苦戦中です。1万円くらい稼げるようになるまでは、初心者でもがむしゃらに数をこなしていけばなんとかなりました。
ただ、私には家庭もあるし育児や家事もあるし「時給いくら?」みたいな値段で働いていても意味がないのではないかと考え直しました。
たしかに、稼ぐ目的を考えると「なんでもいい」とは言えないですね。
育児と家事のバランスを考え、ライターを始めて3~4ヶ月目くらいに低単価の案件を辞めました。
単価の高い案件に応募するようになり、縁のあった会社と働きだしてようやく月3万ほど稼げるように。月5万を目指しているのですが、収入アップに思いのほか難しさを感じています。
僕自身も専業のWebライターとして、月5万円を稼ぐまでに時間がかかりました。「書かなきゃ稼げない」けど「スキルがないから書けない」のストレスも感じました。
数をこなすか単価を上げるか、記事の執筆スピードをあげるか。どの方法を選ぶにしても、スキルアップが最重要であり難しいことだと感じています。
事前に準備したことは?
Webライターを始めるにあたり、事前に「準備したこと」も聞いてみました。
Webライターの業務をスムーズに始めるには、できることから事前に対応しておくのも大切です。
地元で講座を受講した
まず地元で開催していた「ママフリーランス講座」という講座を受講することから始めました。
地元で開催している講座があるのはいいですね!ママさん同士で集まれる講座なら、不安も少なく受講できそうです。
初心者の場合は、何かしらの講座やライターのコミュニティに入り、情報を得るところから始めるのがおすすめです。
僕自身も5年目にしてようやくコミュニティに参加しましたが、もっと早く入っておけばよかったと実感しています。
案件探しを頑張った
講座で基礎スキルを学びつつ、クラウドワークスとランサーズで仕事を探し始めました。経験がないので、30件応募して「1件もらえればいいかな」という感じで気長に頑張りました。
案件探しは意外に勇気が必要ですし、少しずつでも頑張っているのは素晴らしいことだと思います。
保育系の記事募集がクラウドソーシングサイトにあまりなかったので、企業に直接メールを送って案件を得る努力もしました。
1年目から直接メールを送って営業するのはスゴイです!(僕は4年目まで怖くてできませんでした)
講座の受講を引き続き検討中
案件を受注できるようになりましたが、単価アップに行き詰まりだしました。スキルアップのために、勉強を始めるか講座を新たに受けるか模索中です。
Webライターを長く続けていくとわかりますが、意外にスキルアップの終わりが見えません。新たに必要性を感じたスキルの習得を続けていくのは、すごくよいことだと思います!
ライティングスキルをどのように勉強した?
ライティングスキルを学ぶために、どのような勉強方法に取り組みましたか?
基本的には、以下の方法で勉強(スキルアップ)しています。
- 「ママフリーランス講座」という講座を受講している
- ライターの本を活用して独自に勉強している
「ママフリーランス講座」では、ライターの勉強や記事の添削などもしてもらっています。
記事の添削をしてもらえるのはいいですね!第三者のフィードバックを得られると、文章の書き方がガラリと変わることもありますよ。
講座のコミュニティもあるので、先輩ライターからスキルを教えてもらっています。
最初はどのように案件を受注した?
Webライターになった当初は、どのように案件を受注しましたか?
クラウドワークスに登録して、案件を受注しました。
やはり、クラウドワークスを活用するのは定番なんですね。
「保育士」であることは強みにできた?
クラウドソーシングサイトで案件に応募する際に、保育士であることは強みとしてアピールに役立ちましたか?
保育士系の記事に絞って応募しているので、保育士の経験は活かせました。
なるほど、案件のジャンルを絞ったことで経験を活かしやすかったのですね。
保育士として子どもの発達や幼児教育についての記事が書けることをアピールしました。ただ、保育士系の記事は単価が比較的安いので、高単価の別ジャンルにも挑戦していくかどうかが悩みどころです。
保育士系の案件がそれほど単価が高くないのは意外でした。
Webライターの収入についてどう思った?
少し聞きづらいテーマですが、Webライターの収入について率直な感想を聞かせてください。
困らない程度の収入があるので、想定内ではありました。
まだ始めたばかりで、これから単価を上げていきたい段階でしたね。
スキルのない初心者だったので、半年で3万円、1年で5万円の月収を目指していました。
今のところ、安定して稼げるのが3万。受注次第で+1万円くらいなので、最高でも月4万ほどの現状です。
副業となると、これからが時間のやりくりやスキルアップに苦戦する時期なのかもしれませんね。
子育てをしていて時間がないことも原因なので、気長に5年くらいかけて月10万円を目指していきたいです。
保育士でいるうちに「しておくべきこと」はある?
ひいろさんのように、保育士とWebライターの業務を並行していきたい人もいると思います。
保育士であるうちに「やっておいてよかった」と思うことはありますか?
実はWebライターになってから、子どもの教育系の記事に需要があることを知りました。
保育士時代に子どもの発達や教育などの講座を受講して、もう少し専門的な勉強をしておけばよかったです。
勤務しているときには気づかないけど、業務知識を求めている人って意外にたくさんいるんですよね。勤務経験をアピールするためにも、専門知識を学んでおくのは大切なことなのかもしれません。
これからWebライターに挑戦する「保育士」に向けて一言
最後に、ひいろさんと同じように、これからWebライターに挑戦したい保育士に向けて「後押し」になるような一言をください!
まったくの初心者でも、なんとか1年で月4万円くらいは稼げます。保育士の仕事はやりがいがあり楽しかったですが、子どもを預かる命の重みや体力の不安、給与の低さがネックでした。
在宅で仕事を探している保育士さんは、人間関係のストレスもほとんどないWebライターがおすすめです。色々と苦戦はしていますが、この年になっても新しいことに挑戦できる「やりがい」をもって取り組めていますよ!
今回の記事は「Webライターに興味がある保育士」に向けて、少しでも参考になればとの思いで制作しました。
また、貴重な体験談をご提供いただいた「ひいろさん」。ご協力いただき、ありがとうございました。
保育士にかかわらず、新たな業種への転身は苦労することばかりです。
もし、これからWebライターに挑戦するときには、当記事が行動を起こすきっかけになるとうれしいです。
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