Wordで誤字脱字をチェックする方法|表記ミス確認のマクロも作ってみた

執筆した文章をチェックしても、細かなミスを見落としちゃう…。

Webライターにとって、記事執筆後のチェックは欠かせません。

  • 誤字脱字がないか
  • 表記ゆれがないか
  • 執筆ルールに沿っているか

執筆した文章をしっかりと確認したつもりでも、納品後に思わぬ指摘を受けることも。

ちゃんとチェックした”つもり”でも、意外に見落としてしまいます。

そこで今回は「Wordの機能を活用した文章チェック」をテーマに、便利な使い方や設定方法を解説します。

また、Wordのマクロ機能を活用した「表記チェック処理」も作ってみました。

taku

Wordがあれば無料で使えるので、ぜひ参考にしてみてください。

執筆者プロフィール

taku
  • Webライター(4年)
  • Webディレクター(1年)
  • 元システムエンジニア(9年)

未経験からフリーランスのWebライターに転身。
保有資格:SEO検定1級・FP3級
2つのブログを運営しています。

目次

文章チェックにはWordの「校閲機能」が便利

本記事では「Windows版 Microsoft Office 2019」を利用しています。
バージョンが異なる場合には、表示内容に差異がある可能性もあるためご了承ください。

執筆した文章のチェックには、Wordの「校閲機能」が便利です。

今回の記事では、使用頻度の高い「スペルチェックと文章校正」機能について解説します。

Wordの校閲機能とは

校閲機能はWordの標準搭載機能であり、ホームタブの「校閲」セクションからアクセスできます。

文章表現の誤りや文法的なミスなど、さまざまな観点でのチェックに便利です。

チェックできること

スペルチェックと文章校正機能では、以下のチェックが可能です。

誤りのチェック入力ミス・同音語誤り・誤り語・誤り表現・仮名遣いの誤り・旧仮名遣い
表現の推敲くだけた表現・助詞の連続・重ね言葉・副詞等の呼応
表記の揺れ揺らぎ(カタカナ)
表記の基準送り仮名の誤り
スペルチェックと文章校正のおもな項目

上記のチェック項目は、Wordの初期設定で指定されています。

必要に応じて、チェック項目やレベルを変更可能です。

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校閲機能の使い方

Wordの校閲機能「スペルチェックと文章校正」は、以下の流れで使用します。

各手順は難しい内容ではないので、慣れていなくてもスムーズに実践できます。

以降の見出しでは画面キャプチャとともに解説するので、Wordの画面を開きながら読み進めてみてください。

事前設定

基本的にはデフォルトの設定から変更しないため、事前設定の手順は読み飛ばしても問題ありません。

まずは、校閲機能の設定をチェックしましょう。

画面左上の「ファイル」タブをクリックします。

左側メニューの「オプション」をクリックします。

画面を最大化していない場合は「その他」→「オプション」の順にクリックします。

Wordのオプション画面が開くので、左側メニューの「文章校正」をクリックします。

以下の画面にある「Wordのスペルチェックと文章校正」が、校閲機能の設定項目です。

必要に応じて設定を変更します(デフォルトのままでも問題ありません)。

さらに詳細な設定項目を確認する場合は「設定」ボタンをクリックします。

「文章校正の詳細設定」画面が表示されるので、必要に応じてチェックを追加します。

二重否定や受動態など、デフォルトではチェックされていない項目を追加するのもおすすめ。

文章校正の詳細設定(タップで開く)
分類項目初期値おすすめ
設定
誤りのチェック入力のミス普通普通
同音語誤り少なめ少なめ
誤り語・誤り表現
仮名遣いの誤り・旧仮名遣い
表現の推敲くだけた表現
「の」の連続
その他の助詞の連続
助詞の用法
重ね言葉
当て字
副詞等の呼応
あいまいな表現
「が、」の多用
連用中止形の多用
二重否定
文語調
受動態
表記の揺れ揺らぎ(カタカナ)
揺らぎ(送り仮名)
揺らぎ(漢字/仮名)
揺らぎ(数字)
揺らぎ(全角/半角)
表記の基準漢字レベルチェックなしチェックなし
常用漢字外の読み
送り仮名の誤り
送り仮名の基準チェックなし本則
仮名書き推奨チェックなし一般
文体チェックなし「です・ます」体に統一
カタカナ設定チェックなし全角に統一
英文字設定チェックなし半角に統一
句点チェックなし「。」に統一
読点チェックなし「、」に統一
商標・商品名
文章校正の詳細設定
分類項目初期値おすすめ
設定
誤りの
チェック
入力のミス普通普通
同音語誤り少なめ少なめ
誤り語
誤り表現
仮名遣いの誤り
旧仮名遣い
表現の
推敲
くだけた表現
「の」の連続
その他の助詞
の連続
助詞の用法
重ね言葉
当て字
副詞等の呼応
あいまいな表現
「が、」の多用
連用中止形
の多用
二重否定
文語調
受動態
表記の
揺れ
揺らぎ
(カタカナ)
揺らぎ
(送り仮名)
揺らぎ
(漢字/仮名)
揺らぎ
(数字)
揺らぎ
(全角/半角)
表記の
基準
漢字レベルチェック
なし
チェック
なし
常用漢字外
の読み
送り仮名
の誤り
送り仮名
の基準
チェック
なし
本則
仮名書き推奨チェック
なし
一般
文体チェック
なし
「です・ます」体
に統一
カタカナ設定チェック
なし
全角に統一
英文字設定チェック
なし
半角に統一
句点チェック
なし
「。」に統一
読点チェック
なし
「、」に統一
商標・商品名
文章校正の詳細設定
taku

上記をタップ(クリック)すると、個人的におすすめする「Webライター向けの設定」をチェックできますよ!

文章をコピペ

校閲機能でチェックしたい文章をWordにコピペします。

貼り付けるときは、右クリック→貼り付けのオプション「テキストのみ保持」を選択。

taku

普通にコピペすると、書式(文字のサイズや色)が含まれてチェック結果が若干見づらくなります。

校閲機能を実行

文章をコピペできたら、校閲機能を実行します。

「校閲」タブから「スペルチェックと文章校正」をクリックします。

校閲機能が実行されると、画面右側に実行結果が表示されます。

指摘がなければ「文章の校正が完了しました」のメッセージが表示されます。

実行結果をチェック

「指摘理由」と「修正候補」の内容を確認します。

修正候補は表示されない場合もあります。

指摘理由と修正候補を確認後は、以下の方法で対応します。

指摘箇所の修正が必要な場合

対応手順
  1. 本文(Word)を直接修正する
  2. 実行結果がグレーアウトするので「再開」ボタンをクリックする
  3. 本文(原本)を修正する
  4. 別の指摘内容があれば同じ手順を繰り返す
taku

Word側で複数の指摘をまとめて修正しちゃうと、原本を修正するときに「どこ直すんだっけ?」ってなりがち(個人的に)。

指摘箇所の修正が不要な場合

対応手順
  1. 指摘理由が問題なければ「無視」をクリックする
  2. 別の指摘内容があれば同じ手順を繰り返す
taku

製品名やサービス名などの「固有名称」は、一般的ではない単語の誤りとして指摘されやすい傾向にあります。

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表記ミスのチェック処理を作成してみた

使用する表記使用しない表記
できる出来る
おすすめお勧め
オススメ
123123
!?()!?()
表記ルールの一例

Webライターの執筆作業では、クライアントが用意する「表記ルール」に従うのが一般的です。

クライアントが用意するマニュアルには、細かな表記ルールがびっしりと用意されています。

「数字は半角、記号は全角」とか。

数千文字の記事を執筆するたびに、このようなルールをチェックするのは大変です。

とくに執筆後の疲れた状態で目視確認すれば、多少の見落としはどうしても発生してしまいます。

taku

僕自身も執筆するたびにチェックするのがしんどかったので「効率化できないかな?」と悩んでました。

とはいえ、表記ルールを自動でチェックしてくれるような都合のよいツールは見つかりません。

そこで今回は「表記ルールに沿っているかどうか」をチェックする処理(Wordマクロ)を作成してみました。

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表記チェック処理の使い方

作成したチェック処理の全体的な流れを解説します。

チェック処理の流れ

事前準備

  1. Wordのマクロ機能を有効化する
  2. マクロ処理を登録する
  3. 抽出したい文字列をリスト化する
    (テキストファイル)

マクロ実行

  1. チェックする文章をWordにコピペする
  2. 登録したマクロを実行する
  3. 該当箇所が黄色マーカーで抽出される

まずは、Wordの設定にて、マクロ機能の有効化が必要です。

その後、テキストファイルに「使用したくない表記」のリストを作成します。

そのリストをWordのマクロで読み込んで「文章の該当する文字列にマーカーを引く」といった処理の流れです。

taku

詳細な手順は、以降の見出しで解説します。

事前準備

まずは事前準備として、以下の設定を実施します。

Wordのマクロ機能を有効化する

Wordのマクロ機能は、初期設定で無効化されています。

以下の手順で有効化しましょう。

Wordのマクロ機能を有効化
  1. ヘッダーメニューの「ファイル」タブを選択する
  2. 画面左側の項目「オプション」を選択する
  3. Wordのオプション画面で「リボンのユーザー設定」を選択する
  4. メインタブの「開発」にチェックを入れる
  5. ヘッダーメニューに「開発」タブが追加されたら完了

チェック用のマクロを登録する

チェック用のマクロを登録
  1. ヘッダーメニューの「開発」タブを選択する
  2. メニューから「マクロ」をクリックする
  3. マクロ画面が表示されるので、以下の手順を実施する
    • 「マクロ名」に任意の名前を入力する
      ※名前は何でもOK!
    • 右側項目「作成」ボタンをクリックする

「マクロ編集画面」が表示されるので、以下のソースコードで上書きしましょう。

ソースコードはこちら(タップで開く)

チェック処理のソースコード

Sub 特定の文字列を検索してマーカーを引く処理()

Dim dlgOpen As FileDialog
Dim fileNo As Integer
Dim buf As String
Dim myColor As String

'テキストファイルを開く
Set dlgOpen = Application.FileDialog(msoFileDialogOpen)

With dlgOpen
.AllowMultiSelect = False
If .Show = False Then Exit Sub
fileNo = FreeFile
Open .SelectedItems(1) For Input As #fileNo
End With

Do Until EOF(fileNo)
Input #fileNo, buf

'現在のマーカー色を保存
myColor = Options.DefaultHighlightColorIndex

'マーカー色を黄色に設定
Options.DefaultHighlightColorIndex = wdYellow

'メイン処理
'テキストファイルを1行目から検索・該当箇所にマーカーを引く
With Selection.Find
.ClearFormatting               '検索条件から書式を削除
.Replacement.ClearFormatting   '置換箇所の書式を削除
.Text = buf                    'テキストの文字を保管
.Replacement.Text = buf        '保管した文字で置換する
.Replacement.Highlight = True  'マーカーを引く

'カスタマイズする場合はコメントアウトを外す
'.Replacement.Font.Bold = True  '太字に変更する
'.Replacement.Font.Size = 15    '文字サイズを変更する

.Forward = True                '前方向に検索(先頭→末尾へ順方向)
.Wrap = wdFindStop             '末尾に到達したら検索終了
.Format = True                 '書式設定を有効化
.MatchCase = True              '大文字と小文字を区別する
.MatchWholeWord = True         '完全一致する単語だけ検索する
.MatchByte = True              '全角と半角を区別する
.MatchAllWordForms = False     '英単語の異なる活用形を検索しない
.MatchSoundsLike = False       'あいまい検索(英)を無効化
.MatchFuzzy = False            'あいまい検索(日)を無効化
.MatchWildcards = False        'ワイルドカードを使用しない
.Execute Replace:=wdReplaceAll '置換処理(全置換)を実行する

End With
Loop
Close #fileNo

'処理完了後にマーカー色を元に戻す
Options.DefaultHighlightColorIndex = myColor

End Sub
taku

上記をタップ(クリック)すると、ソースコードが表示されます。

ソースコードを上書きしたら、ヘッダーメニューの「上書き保存」ボタンを実行します。

taku

フロッピーディスクのマークをクリックしましょう。

抽出したい文字列をリスト化する

抽出したい文字列をリスト化
  1. 抽出したい文字列をテキストファイルに入力する
    • 1行につき「1つの文字列」を入力します
    • リストの文字は「完全一致」で抽出されます
  2. 任意のフォルダに保存する
    • ファイル名は「何でもOK」です
taku

たとえば「1,2,3」と同じ行に入力した場合は
「1,2,3」に完全一致する文字列を抽出します。

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マクロ実行

事前準備が完了したら、登録したマクロ処理を実行します。

チェックする文章をWordにコピペする

チェックする文章をWordにコピペ
  1. チェックしたい文章(原稿)を全コピー(Ctrl + A)する
  2. コピーした文章をWordに貼りつける
    • 「右クリック→テキストのみ保持」でペースト
  3. カーソルを文章の先頭に移動(Ctrl + Home)する

マクロ処理は「カーソル位置」から実行されます。

コピペが完了したら、カーソルを文章の先頭に移動(Ctrl + Home)してください。

文章を貼り付けるときは、貼り付けのオプション(右クリック→テキストのみ保持)を推奨します。
※書式を含めてコピペすると、処理後にチェックしづらくなるため。

登録したマクロを実行する

登録したマクロを実行
  1. ヘッダーメニューの「開発」タブを選択する
  2. メニューから「マクロ」をクリックする
  3. 登録したマクロを選択する
  4. 右側項目「実行」ボタンをクリックする
  5. ファイル選択ダイアログが表示される
  6. 抽出文字列のテキストファイルを選択する

該当箇所が黄色マーカーで抽出される

チェック処理を実行すると、リストに該当する文字列が黄色マーカーで強調されます。

マーカー個所を確認しながら、必要に応じて「原本」の文章を修正しましょう。

taku

Wordファイル自体は、あくまでも「確認用」なので修正不要です。

チェック処理を再実行したい場合は、Wordにコピーした文章を一旦削除して「チェックしたい文章をWordにコピペする」の手順に戻ります。

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Wordマクロをカスタマイズする

今回紹介したチェック処理は「黄色マーカーを引く」ことで文字列を抽出しました。

しかし、黄色マーカーのみでは、1文字だけ該当する箇所を見落してしまう可能性があります。

そこで、以下のカスタマイズも参考にしてみてください。

抽出した文字を太字にする

以下のソースコードを追加すると、抽出した文字列を太字に変換できます。

追加するソースコード
.Replacement.Font.Bold = True

チェック用のマクロを登録する」で記載したソースコードには、コメントアウトした記述が含まれています。必要に応じてコメントアウトを外すと、設定が有効化されます。

抽出した文字のサイズを変更する

以下のソースコードを追加すると、抽出した文字列のサイズを変更できます。

追加するソースコード
.Replacement.Font.Size = 15

チェック用のマクロを登録する」で記載したソースコードには、コメントアウトした記述が含まれています。必要に応じてコメントアウトを外すと、設定が有効化されます。

taku

数値を変更すれば、初期値(15)より大きなサイズに変換できます。

マーカーの色を変更する

以下のソースコードを編集すると、任意のマーカー色に変更できます。

変更するソースコード
'マーカー色を黄色に設定
Options.DefaultHighlightColorIndex = wdYellow

以下の表を参考に、ソースコードの「wdYellow」を変更しましょう。

コード
黄色wdYellow
明るい緑wdBrightGreen
水色wdTurquoise
ピンクwdPink
赤色wdRed
25%灰色wdGray25
50%灰色wdGray50
選択中の色wdNoHighlight
マーカー色のコード一覧

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目視確認はほどほどに|ツール化すると作業が楽

今回は、Wordの「校閲機能」をテーマに使い方を解説しました。

執筆後のチェックは、便利なツールを活用すると効率的です。

また、Wordのマクロ機能を活用した「表記ミスをチェックする処理」も紹介しました。

目視では手間がかかるチェックは、ツールを活用すると快適です。

しかし、どのようなツールも、かゆい所まで手が届くほど万能ではありません。

あくまでも目視確認をサポートするアイテムとして活用してみてください。

推敲・校閲・校正の手順を知りたい方はこちら

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