- 失敗しない取材ライターになるコツ
- 取材ライターに必要なスキル
- 取材トラブルを回避するための対策

Webライターが取材対応することもあるの?
情報の信頼性が重要視されるWeb記事は、有識者への取材内容をもとに執筆することも少なくありません。



僕自身も専門家や監修者を相手に取材対応した経験があります。
そこで今回は、自分自身の経験をもとに『失敗しない取材ライターになるコツ』を解説します。
結論を言うと、取材を成功させる秘訣は「しっかりと事前準備すること」です。
この記事の執筆者


- Webライター(3年)
- Webディレクター(1年)
- 元システムエンジニア(8年)
システムエンジニアの激務にギブアップ。
未経験からフリーランスのWebライターに転身。
2つのブログを運営しています。
取材ライターとは


取材ライターは、有識者への取材をもとに記事を執筆します。
Web記事の信頼性や発信者の権威性が重要視されることから、取材をもとにした記事制作はSEOの主流です。
そして、取材対応をWebライターに依頼するクライアントも増えています。



僕が所属する企業も、最近はとくに取材を重要視しています。
そこで、まずは以下の観点で取材ライターについて解説します。
重要性|Web記事の信頼性が求められている
取材が重要視される背景には、Web記事の「E-E-T-A」を求めるトレンドが影響しています。
下記の要素を重要視することから、それぞれの頭文字を取った専門用語。
- Experience(経験)
- Expertise(専門性)
- Authoritativeness(権威性)
- Trustworthiness(信頼性)
とくにTrustworthiness(信頼性)を高める手段として、専門家や有識者への取材が効果的です。



見ず知らずのライターが書いた記事なんて信用できない!
そんな読者の不安を少しでも和らげるためには、権威性のある専門家や有識者に力を借りるべきです。
- 有識者ならではの独自情報を得るため
- 記事に掲載する内容の信ぴょう性を高めるため
仕事内容|記事を充実させる情報のヒアリング
- 取材準備
(アポ取り・テーマの調査・質問事項の作成) - 取材対応
- 取材記事の執筆
- 記事の監修依頼
(取材相手に内容をチェックしてもらう)



取材相手へのアポイントメントは、編集者やディレクターが対応する場合もありますよ。
取材ライターの仕事には、取材の準備や当日の対応も含まれます。
とくに重要な役割は、取材相手や取材先の企業についての情報取集です。
基本的に取材相手とは初対面ですし、知らない分野の専門家を相手にすることも多々あります。



事前知識なしで取材に挑むと、相手の話す内容がまったく頭に入ってこないことも(経験あり)
取材方法|Zoomが主流(30分~1時間ほど)
- Zoom
- 対面
- 電話
一般的な取材方法は、上記の3パターンです。



最近はご時世もあり「Zoom」が主流です。
取材の所要時間は、基本的に「30分~1時間」ほどです。
所要時間だけ見ると「長そうだな」と感じるかもしれません。
しかし、実際に取材してみると、意外にも時間が不足しがちです。



取材相手がていねいに答えてくれると、後半に急いで質問を消化する事態もありました。
また、議事録や録音・録画機能など、取材内容を振り返る手段を用意しておくと便利です。
対面の取材にはボイスレコーダーが便利



Zoomには録画機能があるので、取材後に見返しながら執筆できますよ。



Zoomの無料プランは、時間制限(40分)があるので注意しましょう。
取材ライターに必要な3つのスキル


取材ライターには、習得しておきたい3つのスキルがあります。
Webライティングの本質を学べるオンライン講座「Writing Hacks
基本的なWebライティングを学びながら、取材ライターを目指したい方にもおすすめの講座です。
- 100本以上のわかりやすい動画講義
- 回数無制限の質問対応
- 講座内で3回の記事添削あり
料金(税込) | 89,800円 |
受講期間 | 無期限 |



Webライティング+取材記事の書き方を学ぶならWriting Hacks
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情報を整理するスキル|取材前に必要
取材前には、取材テーマの情報を整理するスキルが必要です。
事前に情報を把握しておかないと、取材相手が話す内容を理解できずに進行が滞ってしまいます。
取材の目的は記事に必要な情報を得ることであり、執筆者が専門知識を教わるためではありません。
以下の流れを参考に、事前の情報収集を心がけましょう。
- 取材相手の経歴やWebサイトの情報をリサーチする
- リサーチした情報から質問事項を検討する
- リサーチしてもわからないこと:質問する
例)○○について教えてください - リサーチしたらわかること:確認する
例)○○の認識で合ってますか?
- リサーチしてもわからないこと:質問する
会話をコントロールするスキル|取材中に必要
取材中は対面でのコミュニケーションが必要であり、とくに会話をコントロールするスキルが求められます。
- 質問を伝える
- 回答を聞く
- 回答が不十分なら追加で質問する
- 会話が長引いたときは区切りを入れる
取材は時間内に終わらせる必要があり、基本的には「1度きり」です。
取材後に「聞き忘れた…」「質問しきれなかった…」と悔やんでも、やり直しのチャンスは期待できません。
だからこそ、限られた時間で取材相手の情報を引き出すコミュニケーションが必要です。



僕は質問ごとに時間を割り振って予行練習していますよ。
文字起こしするスキル|取材後に必要
取材後には、取材中の会話内容を文字起こしするスキルが必要です。
取材の文字起こしでは動画ファイルを見直す必要があるため、取材時間×1.5倍の所要時間が目安となります。



文字起こしする手間を少しでも省くためには、取材中に回答を記録するような工夫も必要です。
また、ただ文字起こしするだけではなく、記事に掲載できる形へと落とし込む必要もあります。
テキストデータだけでも効率的に作成したい場合には、便利なWebサービス
動画ファイルの自動文字起こしが便利



無料のツールは動画の再生時間やファイルサイズに制限があるので注意しましょう。
取材の失敗を防ぐ6つのコツ


取材を失敗しないためには、事前準備がとにかく重要です。
取材相手は基本的に初対面ですし、知らない分野の専門家を相手にすることも多々あります。



過去の取材では「美容家」や「英会話教師」など、不慣れなジャンルの専門家に取材した経験があります。
そこで、僕自身の体験や工夫をもとに、取材の失敗を防ぐ「6つのコツ」を紹介します。
取材の目的を把握する
まずは、取材の目的を把握しましょう。
取材の目的により、質問すべき内容が異なるからです。
- 記事の信ぴょう性を高めたい
→情報の正誤を確認する - 記事の独自性を高めたい
→取材相手の体験談を聞き出す
記事に書かないような内容を質問しても、せっかく取材した情報と時間をムダにしてしまいます。
また、取材相手との認識がズレないように、質問事項を事前に伝えておきましょう。
見出し構成を事前確認する
取材で質問する内容は、基本的に「見出し構成」から検討します。
つまり「取材で確認すべきこと=記事に書くべきこと」です。
質問事項を見出し構成から考えると、確認すべきことの漏れを防げます。



ライター自身が見出し構成を作成しない場合は、事前にクライアントから提供してもらいましょう。
質問事項を取材相手と事前共有する


取材の目的や質問事項は、前日までに取材相手と情報共有しましょう。
取材相手は、取材に慣れているとは限りません。



インタビュアー側と同様に、取材相手にも準備が必要です。
たとえ専門知識に長けていても、その場で質問されたことにはスムーズに回答できない場合も考えられます。
取材相手も事前準備できるように工夫することが、回答の充実度をアップするための重要なポイントです。



相手に負担をかけないためには、フリートークさせないことも大切!
質問事項に「想定する回答」も記載する
事前共有する質問事項には、できる範囲で想定する回答も記載してみましょう。
また、回答が「Yes or No」の一言で完結するように、質問を考慮するのが理想的です。
取材は想定より時間がかかることもあり、質問数が多いと取材相手に負担をかける恐れもあります。
想定した回答が取材相手の認識と一致していれば「そのとおりです」の一言で完了です。



質問数が多いときの「時短テク」としても効果的です。
取材のテーマを事前にリサーチする
取材テーマに関連する知識は、事前にリサーチしておきましょう。
取材相手が話す専門的な知識や用語を理解できないと、取材中に頭がついていきません。
また「たぶん理解してなさそうだな」って雰囲気は、意外にも表情から相手に伝わってしまいます。
取材中は話が脱線することもあるため、内容をまとめながら進めるのが理想的です。



取材相手が一方的にしゃべると「元々は何の話でしたっけ?」ってなりがち(取材あるある)
取材中に信頼関係を築く


取材中に取材相手との信頼関係を築くことも重要なポイントです。
取材相手との会話が弾むと、想定外な「とっておき」のエピソードを引き出せることもあります。



「実はこの前、こんなことがあって~」のような内容が意外に重要。
信頼関係を築くためのポイントは、以下のとおりです。
- 相手の負担を減らすこと
- 無知な状態で対応しないこと
- 会話が一方通行とならないこと
専門知識のない素人が考えた質問は、あくまでも「基本的なこと」が中心です。
当初想定していなかったエピソードほど、記事の独自性を高めるためには重要となります。



僕は用意した質問をさっさと済ませて、余った時間で「伝えきれてないことありますか?」って確認してます。
取材トラブルを回避するための注意点


取材対応には、思わぬトラブルが発生することもあります。
とくに取材後の記事執筆で「取材相手との認識のズレ」が生じるケースに注意が必要です。



今回は、よくあるトラブルを3パターン紹介します。
取材者の意思に反する内容を書かないこと
取材記事では、取材者の言葉や考えをストレートに伝えるべきです。
執筆者のニュアンスで言葉を変えてしまうと、取材者との認識のズレが生じることもあります。
また、執筆者の自己判断を、あたかも取材者の言葉のように伝えることも厳禁です。



取材者から「こんなこと言った覚えがない」とクレームが入ってしまいます。
取材者との信頼関係を築くためにも、執筆記事の監修も含めて依頼するのがおすすめです。
他者(他社)の評価を下げないこと
取材者が提供する商品やサービスを紹介する場合は、他者(他社)の評価を下げないよう注意しましょう。
取材者を高く評価しすぎてしまうと、相対的に他者(他社)の評価を下げるような印象を与えてしまいます。



露骨な印象操作は、取材者自身の印象が悪化してしまう要因にもなりかねません。
取材の目的は、あくまでも取材者から得た情報を伝えることです。
商品やサービスの比較記事を執筆する場合には、公平性を保つことも意識しましょう。
連絡のやり取りが滞らないこと
取材相手との連絡は、滞ることがないように注意しましょう。
取材相手を「待たせる」「放置する」ことは、担当者だけでなくクライアントの評価を下げる要因にもなります。
とある担当者が取材依頼への返信に気づかず放置していた。
依頼を受けた相手は、放置されたことに憤りを感じ、SNSへ不満を投稿。
結果として、担当者が所属するクライアントの評価を下げてしまうことに。
取材記事は、取材相手との信頼関係があって成立するものです。
社会人のマナーとして、スムーズな連絡のやり取りを心がけましょう。
取材ライターは事前準備がとにかく重要!


取材ライターが取材を成功させるコツは、しっかりと事前準備することです。
- 取材の目的を把握する
- 見出し構成を把握しておく
- 取材相手と事前に情報共有する
- 質問事項に想定する回答も記載しておく
- 取材のテーマを事前にリサーチしておく
- 取材中に信頼関係を築く
取材対応できるライターは、クライアントから重宝されるほど貴重な存在です。
僕自身もディレクターとして、ライターさんに取材対応を依頼することもあります。
しかし、体感で9割くらいは断られます。



だから自分で取材対応することがほとんどです(笑)
とはいえ、できない人が多いからこそ「取材ライター」は大きな価値を生み出します。
慣れていないことには不安を感じてしまいますが、できることが増えると楽しいですよ。
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