文章を執筆しているときに「漢字で書く?ひらがなで書く?」と迷った経験はありませんか?
Webライティングにおいて、漢字とひらがなの使い分けは記事の読みやすさに影響する重要な要素です。
そこで今回は「漢字とひらがなの使い分け」をテーマに、ひらがなに「ひらく」べきかどうかの判断方法を解説します。
よくあるパターンと例文を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
執筆者プロフィール
- Webライター(4年)
- Webディレクター(1年)
- 元システムエンジニア(9年)
未経験からフリーランスのWebライターに転身。
保有資格:SEO検定1級・FP3級
2つのブログを運営しています。
漢字をひらがなに「ひらく」7つのパターン
日本語の文章には、おもに「漢字・ひらがな・カタカナ」の3種類が使われています。
とくに漢字とひらがなは、状況にあわせて使い分けることが大切です。
漢字をひらがなに「ひらく」ことには、以下のような効果を期待できます。
- 文章が読みやすくなる
- 文章から伝わる雰囲気がやわらかくなる
- 誤字による読者の誤認識を防げる
そこで、漢字をひらく7つの典型的なパターンを解説します。
それぞれのパターンを理解して、より読みやすい文章を執筆しましょう。
形式名詞
「こと」「もの」などの形式名詞は、文章のなかで名詞の役割を果たしながらも主要な意味をもたない言葉です。
一般的には文章全体のバランスを整えるのに使われます。
形式名詞を漢字で書くと文章が読みづらくなるため、ひらがなにひらきましょう。
読みやすさが向上するだけでなく、文体がやわらかくなりますよ。
漢字表記
ライティングスキルの向上には、毎日継続して書く事が欠かせません。
ひらがな表記
ライティングスキルの向上には、毎日継続して書くことが欠かせません。
漢字 | ひらがな |
---|---|
物 | もの |
事 | こと |
時 | とき |
上 | うえ |
為 | ため |
通り | とおり |
上記は、ひらがなで記載したい形式名詞の一例です。
文章の読みやすさとわかりやすさを向上させるためにも、形式名詞はひらがなにひらきましょう。
接続詞
「しかし」「なお」などの接続詞は、文や語句をつなぐ役割をもつ言葉です。
接続詞を漢字で書くと読みづらさが増しますが、ひらがなにひらくことで文章の流れが自然になります。
漢字表記
若し文章執筆に悩んだら先輩ライターに相談しましょう。更にフィードバックをもらえる環境があれば積極的に活用しましょう。
ひらがな表記
もし文章執筆に悩んだら先輩ライターに相談しましょう。さらにフィードバックをもらえる環境があれば積極的に活用しましょう。
漢字 | ひらがな |
---|---|
更に | さらに |
然し | しかし |
若し | もし |
但し | ただし |
及び | および |
且つ | かつ |
尚 | なお |
上記は、ひらがなで記載したい接続詞の一例です。
読みやすさを考慮するなら、基本的にはひらがなにひらくべきです。
ただし、学術的な文書や法的な文書には、漢字表記が適しているケースもあります。
文書の種類や読みやすさを考慮しながら、表記を使い分けましょう。
補助動詞
「~しておく」「~てみる」などの補助動詞は、以下の役割を果たす言葉です。
- 主動詞の意味や性質を補足・強調する
- 文の意味を微妙に変化させる
補助動詞を漢字で書くと、読みづらさや違和感のある文章になります。
漢字表記
SEOの対策キーワードは、しっかりとリサーチして置きましょう。
ひらがな表記
SEOの対策キーワードは、しっかりとリサーチしておきましょう。
漢字 | ひらがな |
---|---|
して置く | しておく |
して行く | していく |
して見る | してみる |
して頂く | していただく |
して居る | している |
上記は、ひらがなで記載したい補助動詞の一例です。
補助動詞は漢字本来の意味をもたないため、一般的にはひらがなで表記されます。
「準備しておく」には「置く(put)」の意味が含まれないから漢字では書きません。
副詞
「全く」「予め」などの副詞には、動詞や形容詞、ほかの副詞を修飾する役割があります。
副詞をひらがなで表記すると、文章の意味を明確に伝えられます。
漢字表記
SEOの効果が現れるまで、暫く時間がかかる場合もあります。
ひらがな表記
SEOの効果が現れるまで、しばらく時間がかかる場合もあります。
漢字 | ひらがな |
---|---|
大いに | おおいに |
共に | ともに |
全く | まったく |
余りに | あまりに |
予め | あらかじめ |
概ね | おおむね |
極めて | きわめて |
次第に | しだいに |
上記は、ひらがなで記載したい副詞の一例です。
Web記事を執筆する場合には、読みやすさを考慮してひらがなで書きましょう。
公用文の場合には、漢字で書くことが推奨されている副詞もあります。
※参考:例規データベース「公用文における漢字使用等について」(総務省)
副助詞
「まで」「ほど」などの副助詞は、名詞や代名詞を修飾する助詞です。
名詞や代名詞の関係をはっきりとさせる役割があります。
漢字表記
依頼した原稿は、来週の月曜日迄に提出してください。
ひらがな表記
依頼した原稿は、来週の月曜日までに提出してください。
漢字 | ひらがな |
---|---|
迄 | まで |
程 | ほど |
位 | くらい |
等 | など |
頃 | ころ |
上記は、ひらがなで記載したい副助詞の一例です。
副助詞を漢字で書くと、文章がフォーマルで硬い印象になりがちです。
やわらかく親しみやすい印象を伝えたい場合には、副助詞をひらがなで表記しましょう。
一部の動詞
一部の動詞は、記事によって漢字表記と仮名表記が混在しがちです。
たとえば「出来る」や「分かる」などの使用頻度が高い動詞は、ひらがなで書くほうが読みやすさが増します。
漢字表記
Webライティングの基礎を学べば、執筆案件に挑戦出来るはずです。
ひらがな表記
Webライティングの基礎を学べば、執筆案件に挑戦できるはずです。
漢字 | ひらがな |
---|---|
在る | ある |
居る | いる |
出来る | できる |
分かる | わかる |
成る | なる |
上記は、ひらがなで記載したい動詞の一例です。
ただし「出来事」や「成り上がり」のように、名詞の場合は漢字で表記するほうが読みやすさを感じられます。
常用外漢字
使用頻度が低い常用外漢字は、基本的にはひらがなで書きます。
常用外漢字に馴染みのない読者でも文章の意味を適切に理解するためです。
たとえば「懐かしい」や「繋がる」は、常用外漢字を使用しています。
漢字表記
自己分析と提案文の対策が、クラウドソーシングサイトでの案件受注に繋がります
ひらがな表記
自己分析と提案文の対策が、クラウドソーシングサイトでの案件受注につながります。
漢字 | ひらがな |
---|---|
繋がる | つながる |
懐かしい | なつかしい |
喋る | しゃべる |
驚く | おどろく |
掴む | つかむ |
揃える | そろえる |
上記は、ひらがなで記載したい常用外漢字を用いた表記の一例です。
常用外漢字かどうかは、文化庁の「常用漢字表」で判断できます。
どちらの表記にするか迷ったときにチェックしましょう。
人名や地名などの固有名詞には、一般的には常用外漢字をそのまま使用します。
読みなれない漢字には「河豚」のようにルビを振って対応するのも効果的です。
ビジネスメールによくある漢字とひらがなの使い分け
フォーマルな文体のビジネスメールでも、漢字とひらがなの使い分けが必要です。
とくにメールの読みやすさを意識するため、以下の表現はひらがなで書きましょう。
- ください(下さい)
- いたします(致します)
- いただく(頂く)
- よろしく(宜しく)
- ぜひ(是非)
また、以下の表は、ビジネスメールで使用頻度の高い表現です。
漢字とひらがなを適切に使い分けながら、円滑なコミュニケーションを図りましょう。
漢字 | ひらがな | 使用例 |
---|---|---|
予め | あらかじめ | あらかじめお知らせいたします |
直ぐに | すぐに | すぐに会議の資料を送付します |
及び | および | 新製品の仕様および価格について |
何卒 | なにとぞ | なにとぞよろしくお願いいたします |
暫く | しばらく | しばらくお待ちください |
後程 | のちほど | 議事録をのちほど送付いたします |
漢字を「ひらく」べきかどうかに迷ったら?
漢字とひらがなの使い分けに迷ったときは、以下のポイントで判断しましょう。
必ずしも「ひらがなで書くべき」と考える必要はありません。
いったん「ひらがな」にひらいてみる
まずは、使い分けに迷った漢字を「ひらがな」にしてみましょう。
とくに、Web記事では読みやすさを重視する傾向にあるため、ひらがな表記が効果的です。
ひらがなで書くと文章がやわらかくなり、親しみやすい印象を与えられます。
ただし、ひらがな表記が「読みにくい」と感じる場合は、漢字表記に戻しましょう。
読みにくさや違和感がなければ、漢字表記を用いても問題ありません。
必ずしも「ひらがな表記が正解」とは限りません。
ひらがなが連続する文章は、読みづらさや稚拙な印象を与えてしまう場合もあります。
読みやすさや違和感がないかを意識しながら、バランスよく漢字を使用するのが大切です。
「3:7」のバランスを意識する
漢字とひらがなの割合は「3:7」のバランスが理想的です。
読みやすいだけでなく、視覚的に快適な文章にするためにもバランスを意識しましょう。
文章のバランスをチェックするには、とくに以下のポイントを意識するのが効果的です。
- 複雑な長文ではなく短くシンプルな文章を心がける
- 固有名詞や専門用語以外はひらがなで書く
- 執筆後の文章を音読して読みやすさを確認する
ひらがなを適度に使った文章は、リズムよくスムーズに読み進められます。
一方で漢字の割合が多い文章は、読みづらいだけでなく、読み仮名を考える手間が増えてしまいます。
適度に漢字をひらきながら、読みやすい文章を心がけましょう。
傾向や習慣にあわせる
漢字とひらがなの使い分けは「どちらが正解」と決めつけるべきではありません。
読みなれた言葉や使い慣れた表現があれば、傾向や習慣にあわせる配慮も必要です。
- 記事を掲載するWebサイトの傾向やルール
- やり取りする相手が使う言葉や表現
Webサイトごとに定められたルールに従うことで、記事全体の統一感が保たれます。
とくに法律や医療の専門用語が求められるサイトでは、表記の一貫性が重要です。
また、メールやチャットでのやり取りでは、相手が使う言葉や表現にあわせる配慮も大切です。
正解不正解ではなく、相手を意識した言葉選びが円滑なコミュニケーションにつながります。
読者の特性や文章の目的を考慮しながら、漢字とひらがなの使い分けを心がけましょう。
Web記事では漢字を「ひらく」意識が大切!
漢字とひらがなの使い分けは、文章の印象や意味の伝わり方に大きな影響を与えます。
読みやすく、親しみやすい文章を書くためには、以下のポイントを意識するのが重要です。
漢字とひらがなは、状況にあわせて使い分けることが大切です。
表記の使い分けに迷った場合は、今回解説した「7つのパターン」を参考にしてみてください。
読みやすさを重視しながら、わかりやすい文章を書くスキルも身につけてみましょう。
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